和室というのは、定義ってどうなるのでしょうね。
和の室なんですから、日本的な部屋ということでしょうが、
畳の部屋がそうなのか、
という点から言えば、歴史的に見て庶民が畳敷きの空間に暮らせるようになったのは
そんなに「伝統」とまでいえるような長い歴史時間ではない。
江戸期でも板張りの部屋と敷物というのが一般的。
総畳敷きの空間というのは、豪華さの表現だったと思います。
古民家をよく見ていると、畳の部屋って、そうは多くない。
ごく、ハレの間がそうであって、
通常の居間は、板敷というのが多い。
だとすれば、畳の部屋を「和室」と呼ぶのは疑問。
ただ、この写真の部屋のように、「座った位置での目線を基本にしている」
というような定義で言えば、わかりやすいのかも知れない。
日本の住宅では、とくに一般的な居間では
掃き出しの窓が多いけれど、
あれって、座った目線まで外の風景を見ることができる、という意味合いが強い。
一般的に日本人は室内で「座った」状態で寛ぐ。
それに対して、障子などの視線遮蔽装置を取り外すと、
そとの景色が眼前に広がる、というのが視覚的感受性の原点。
ひるがえってこの写真は
ツーバイフォーの住宅の中の和室です。
こういう建て方の家では柱がないので、
本来は和室ではないだろうと思われるのですが、
まぁ、たいして疑問もなく平面図にも「和室」と書かれている(笑)。
確認申請を受ける機関でも文句なく認可される(笑)。
ようするに概念規定ってほぼないのでしょうね。
したがって、現状では畳を敷く部屋が和室、ということでおかしくはない。
でも、窓の開け方は大変日本的伝統のスタイルを踏襲して
目線の高さに収められています。
そのうえ、外部には植え込みを板張りの囲いを背景にして配置。
畳も、意外性を狙ってか、カラー畳ですが、
こういう背景装置がしっかりしていると、
和室の雰囲気としては、まぁ、これでいいと思えてきます。
和室の定義、みなさんどう思いますか?
北のくらしデザインセンター
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Posted on 9月 4th, 2009 by replanmin
Filed under: 住宅取材&ウラ話
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