きのう鹿肉ステーキを食べた店の紹介をしていませんでした。
名称は「太刀川カフェ」というのだそうで、食べ物もさることながら、
建築としてもたいへん興味を覚え、写真を撮影させてもらいました。
目も、舌も、存分に楽しませていただいた次第であります(笑)。
きょうはその写真を、建築写真集的にご紹介。
以下、WEBで見掛けた「概要」であります。
国指定重要文化財(1971.12.28)・函館市景観形成指定建築物
明治34年(1901)建築
設計:山本佐之吉 施工:山本佐之吉、伊藤栄次郎
構造:煉瓦造、二階建、桟瓦葺 建築面積:116.6㎡
煉瓦造、木造トラスの洋風構造でつくられた土蔵造の外観をもつ店舗で、
内部は和風を基幹とし、一部洋風をとりいれている。
和洋折衷の店舗として意匠もすぐれた建築。
かつての海岸通の繁栄を伝える商家の一つで,左右両側に袖壁を備えた店舗は,
防火造り商店の代表格となっている。
屋根は、寄せ棟の瓦葺で、煉瓦の壁を漆喰で仕上げ、
鉄柱で1階梁上の3連アーチを支える意匠は、ほぼ20年前に建設された
「金森洋物店(指定番号40)」にも見られものですが、
2階部分が和風の意匠となっていることなどから、
建物全体としては全く違った印象を受けます。
1階2階とも開口部が広がり、開放的な感じを与える建物。
昭和46年には、国の重要文化財に登録されています。
太刀川家は越後国(新潟県)長岡の出身で初代を善之助といい、
代々善之助、善吉、善吉、善平、善一と続き、いまの当主善一氏は6代目に当たる。
初めて函館に渡って来たのは2代目善之助で、
幕末に23歳の若さで当時の箱館に来て米屋を開き、
北前船を持って回船業や漁業などの事業に手を広げていった。
伊達から十勝に土地を所有し、広尾には漁場があった。
そこからとれる雑穀やサケを帆前船に積んで越後に下ろし、
越後からは米や材木などを積んで来て商売をしていたとのこと。
内部の五間ほどの間口に柱がなく天井の高い豪放な空間が
往時の栄華をしのばせてくれます。
店舗の正面壁面には、重厚な建具造作があしらわれていて、
また、建物の随所にすばらしい引き戸建具が使われています。
その職人仕事の精緻さ、素材の質感のみごとさに圧倒されます。
やはり北海道でも、こういった優美な古建築はたくさん残っている。
そういう古建築に丹念に光を当てていく作業を、北海道人として
死ぬまでに、いつかはやらなければならないなぁと、思い至らされる次第です。
Posted on 12月 1st, 2014 by 三木 奎吾
Filed under: 古民家シリーズ
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