先日の北陸の旅の時、
ふと訪れた復元竪穴住居にはマネキンが置かれていました。
まるでそこでそのまま暮らしているかのようで
たいへんほほえましたかったのですが、
でも暗いなかでみたら、ちょっと不気味だったかも(笑)、という印象。
で、歴史家の網野善彦さんの著作で書いてあった
日本女性の伝統的な座り方として、立て膝が一般的だった、
という記述通りの様子が再現されていたのです。
「おお、ついに」というような驚きの出会いでした(笑)。
なかなか考証がしっかりされている遺跡だなと感心もさせられた。
そうなんです、この座り方が伝統的なんだそうです。
なんとも不思議というか、お行儀が悪い感じがします。
そして実は、朝鮮女性も同じような座り方をしていた、とされているのです。
一汁一菜が基本であるという食習慣とあわせて
半島社会と列島社会は、基本的な文化を共有していたに相違ない
ひとつの証のように書かれていた。
男性は、朝鮮も日本も胡座が基本であったようです。
食事は、基本的に火のある場所を囲むようになされ、
車座のようになって、座ってしていたのですね。
で、女性はどうして立て膝だったのか?
これの理由はよくわからない。
インターネットで調べてみましたが、韓国での例で以下のような記述くらい。
女性は片膝を立てるのが韓国式です。
女性の立て膝はチマチョゴリを着ている際に
きれいなシルエットに見えるという理由なので、
最近は減っているとも聞きますが、ある人が韓国に行った時のこと、
目の前の若い女性がミニスカートで立て膝をしたので
びっくりしたという話を読んだことがあります。
その人は意を決して「パンツが見えてますよ」と注意したそうなのですが、
女性の返答は「2枚はいているから大丈夫」とのことだったそうです。
というような、あぶない(笑)記述があったのですが、
たぶん衣類との相関関係があるに違いないようですね。
半島と列島、高松塚古墳の女性衣装を見ても
これは間違いなく文化共通性を持っている。
でも日本の縄文文化でも、このような衣類が一般的だったでしょうから
どのように考えるべきなのか、迷うところです。
いまでいえば、ミニスカートに近い意匠ですよね。
一方で体動作的に考えると、いろいろな食器や食材やらの用意など、
すぐに立ち上がったりしなければならないので
機能的に考えて、合理性を優先させていたのかも。
こういう文章として残りにくいことがらや
あまりにも基本的なことがらには、証明がむずかしいものがある。
このこと、実は長年、考え続けているのですが
だれに聞いても、腑に落ちる答を聞いたことがありません。
なにか、ヒントでもご存知の方、いませんか?
Posted on 6月 30th, 2014 by 三木 奎吾
Filed under: 日本社会・文化研究
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