いや〜〜〜、クマでなくてよかった(笑)。
GWの中高年夫婦ふたり旅、
ふたりともハンドルを握りたいタイプという似たもの同士。
交互に運転を交代することで、
長距離移動できるので、1泊2日での道東横断弾丸ツアー(笑)です。
弾丸なので、突然、いろんな事態が飛び込んでくる楽しさがある。
道東の方は、主要国道などには「シカ除け」の防護柵がずっと装置されているほどに
野生のシカとの遭遇機会が多い。
ふつうに、突然見えたくらいならば問題はないけれど、
これが自動車と衝突して、となると
その影響はハンパなくなる。
なにしろ相手は保険契約をしていない無法状態(笑)。
自走できる状態であるかどうかも関わるけれど
自動車はふつう使い物にならなくなるし、
そういう遭遇するような場所では、JAFに来てもらうまで
隔絶した状況で待機を余儀なくされる。
まぁ、こまったようなことが、道東では日常的にありえる。
・・・とはいえ、まぁそんなことはないべ、と普通のんびりしている。
GW中のドライブという物見遊山で、
むしろことあれかしという不届きな考えを持っているような当方には
そんな偶然の出会いなどないだろうとタカをくくっていた。
と、そういうこころのスキに、一気に野生がその片鱗を見せてくれた。
きのうは中標津のすばらしい泉質の温泉と、
コストパフォーマンスバツグンの食事のホテルを8時前に出て
大好きな空港を見学後、
9時過ぎから、阿寒湖畔経由で十勝・中札内目指して移動開始。
天気はややぐずついたり、ときどき晴れたりとまだら模様ながら、
快適そのもののドライブを楽しんでいました。
で、クルマが弟子屈を超えたあたりで、
とつぜん、運転中のわたしの右手前方、やや低地になっている道路脇から
こっちを窺っている複数の野生の視線を感じた。
はじめは、まるで人間の視線のように思われたのです。
なにか、必死に知性を働かせて、状況を凝視している視線。
確か、3匹だったのですが、
群を率いている1頭が、命がけのような視線をこちらに向け、
さらにほかの2頭の視線も降ってきた。
「おお、お、シカかよ」
と、認識して、クルマの速度を減速させる。
カミさんに自然界からの異変を知らせる。
最接近遭遇のときには、かれらシカたちは、いったん道路から離れていくそぶり。
きっと、わたしたち人間をマンマシンシステムという凶暴な猛獣と認識し
それとの極度の緊張関係を日常的に生き抜いているに違いない
現代のこの世界を、野生世界として生き抜いているかれらの
真正なまなざしのゾクゾクするような「イキモノ」感がハンパなく
しかもまさに「突然」に、しかも「一気に」
わたしたちの意識世界に現出してくるのであります。
まぁこちらは、通常的に通行の少ない自動車道路の長距離移動、
その「交通の自然な流れ」に沿っての運行状況なので、
かれらにしてみたら、凶暴そのものの人間世界の代表的存在であるのでしょう。
その視線には、まさにドキドキする。
わたしのクルマがかれらとの最接近遭遇を終えて数秒後、
見晴らしのいい直線道路・目視では
後続のクルマとの車間距離は1kmくらいはあったので、
安全と判断したようで、舗装道路上にかれら3頭は躍り出て
横断を開始した。
わたしの後ろのクルマのみなさんは、驚愕したでしょうね。
目の前に野生のシカ3頭が道路を占拠していたのですから・・・。
きっと急減速して、固唾をのんでいたに違いありません。
って、このように書いていますが、
決して正直には言えないような速度でのドライブ中ですので(笑)、
遭遇時間は、ほんの数十秒、長くても1〜2分のあいだの出来事。
なので、写真は資料画像です。
あ〜〜、ビックリ。
でもかれらの野生の視線、
強く心のキャンパスに飛び込んできて、忘れられませんね。
わたし、数回シカとは遭遇しています。
一度など阿寒湖周辺で、一団の群に囲まれるようになった記憶もあります。
かれらの野生の蹄音が、舗装道路にひびくのが耳に残っている。
興奮の瞬間なのですが、
ああいった野生との時間の共有感覚には、ふしぎとしずかさがある。
そんな印象をいつも持ちますね。
たのしい瞬間をすごさせていただきました。
シカさんたち、あのあとどうなったか、
ちょっと心が、そのままピンナップされているような気がしています。
以上、ご報告まで。
Posted on 5月 5th, 2014 by 三木 奎吾
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