写真は北海道の住宅の歴史を概観するときの資料として使われるもの。
いわゆる「変形屋根」といわれる建物の特徴が良く出ている。
建物にどうして氷柱ができるのか、
よくそのプロセスが解明されていなかった時代に
ひたすら建物の屋根のかたちで、氷柱ができないようにできないか、
考えた結果、こういった屋根の形状に至った、という記録写真です。
今日では、天井や屋根の「断熱不良」が基本原因であると
解明されたので、こういう屋根形状への涙ぐましい努力はなくなった。
どういう因果関係で屋根の氷柱や、すがもれは起こるかというと
断熱不良の屋根では、小屋裏に建物内部での暖房熱が逃げていき
屋根にたまっている雪を融かす。
それが融雪水となって流れていく場所があればその場所で
流れていき、それが寒暖の繰り返しの中で徐々に成長していくのですね。
すがもれは、その融雪水が屋根上の氷で水路をふさがれて、
それが室内側に漏れ出てくる「雨漏り」ということ。
北国では、こういう雪の問題がつい20年前くらいまで
なかなか解決されずにきていたのですね。
この問題が断熱の強化で解決されたことで
フラットルーフという水平に近い、もしくは水平の屋根が作られるようになった。
この結果、屋根に雪を載っけたまんま、という屋根の形状が増えていった。
というようなことなんですが、
どうしても、人間のすることなので、
工事の不良などが原因のトラブルも出てくる。
なかなか悩ましく、イタチごっこの側面もある悩み事であります。
Posted on 3月 14th, 2014 by 三木 奎吾
Filed under: 住宅取材&ウラ話
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