さて、きのうの動きの続編です。
国土交通省では、この200年住宅についての説明会を4月11日に開き、
提案応募の締め切りを5月12日に設定する旨、発表を行ったというところ。
正直に言って、この1回だけの説明会で、130億円とも言われる
国費を投入するに足る「周知徹底」が、行われている
という前提のように見受けられる。
その後は国交省のHPなどで質疑応答などが行われていて、
それを見なさい、というのが関の山の対応のよう。
このあたり、いったいどのように考えているのか、釈然としませんね。
国交省としては、業界一般は業界専門誌みたいなメディアを全員読んでいて、
そういうレベルにだけ通知すれば事足りると考えているのだろうか。
今回の乱暴な推移を見ていると、知らないヤツは置いていけばいい、
業界専門誌だけに情報開示すれば、あとはほっとけばいい、というように思われる。
こういう進め方で、大きな国費が執行される実態を見て
ちょっと、大きな違和感を感じていると言うことなのです。
たしかにわたしどもも業界専門誌的な存在ではあるけれど、
だからといって、行政側の垂れ流す情報が本当に意味がある情報とも思えない。
行政の側の情報が、「知らないと損する」みたいなことになってしまったら、
そもそも、税金の使い方としての公平性を著しく欠いてはいないか、と思うのです。
何人か、東北地域の住宅関係者に電話で取材してみたけれど、
それも、今回の「超長期住宅」について一生懸命に努力してきた人たちなのですが、
「なんとなくそんな話は聞いたことがある」
「詳しく聞きたくて話を聞いたけれど、難しいと感じた」
というような反応。
わたしとしては、こういうひとたちが対応できないような「超長期住宅」政策、
というようなことが、どうしても信じられない。
たまたま、北海道では地方公共団体としての道庁が
こういう住宅施策について、それこそ「先導的」な役割を果たしてきている経緯があるので
地域の工務店ビルダー組織がなんとか対応できるけれど、
国との間に、情報を持っている地方公共団体とかがない場合、
それこそ、独自に取材する「業界紙」くらいしか、詳しい情報媒体がない。
そんな、拙速そのもので、大枚の公費が使われようとしている。
なんと、来年4月末日には、ことし、この情報を知って、
この政策に合致すると認定される住宅を建てた「建て主」個人に対して、
政府から直接、上限200万円の「補助金」がばらまかれるのです(!)。
ダムを造ると言うことについては、
たとえば地元と調整したり、ヒアリングしたりとか、
いろいろに情報公開されると思うのですが、
今回のこの「補助金政策」はもっと直接的なものだと思います。
国という行政単位、官僚組織というものが、
いままでどんな風にやってきたのか、次第にそのやり方がわかってきた、
ということを実感しているところ。
逆に言うと、こういう情報をごく一部、大手ハウスメーカーだけしか知り得ないように
やってきたのが戦後以降の日本の住宅政策だったのかも知れないと思います。
さて、どのように展開していくのか、ウォッチが必要ですね。
Posted on 5月 2nd, 2008 by replanmin
Filed under: 状況・政治への発言
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