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東アジア情勢の緊迫化

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北朝鮮はどうやら、崩壊のプロセスが開始したと見た方がいいようですね。
国家NO2の張成沢の失脚、簡易裁判での即決死刑実行などという
血塗られた狂気が平然と行われてしまった。
これが、3代目の世間知らずによる主導的な事態であるのか、
むしろそれを操縦しているだろう既得権益層、軍部による独走の開始であるのか
それは不明だけれど、どちらにしても統治の正当性が著しく揺らぐことに対する
いわば、現代世界での権力行使の常識に照らしての非常識に対する
国としての無知蒙昧が、これ以上ないかたちで明示された。
まずは、こうした無法行為の結果として、国内政治が安定方向に向かうのかどうか
それがすでに危ういだろうと言うことを明瞭に表していると思う。
すでに大量の殺戮がありえるという観測が出てきて
棄国脱出が大量に発生するのではないかという報道もある。

このことは、東アジア情勢が決定的な段階に入りそうなことを意味する。
北朝鮮という国家が核兵器を持ったまま崩壊過程に入るという恐怖が現実化しそうだ。
そうでなくても、きのうまでNO2だった人物がまともな裁判もナシで
問答無用で銃殺される国が、核兵器を持っているおぞましさが現実なのだ。
いま、アメリカはピボット路線と言うことで
アジアへの関与を高める戦略を採用してきていると言われるけれど、
ロイターが分析しているように
中国の軍事大国化路線に対しては、オバマ政権はいわば日中間の「仲裁者」的な位置に
自分を置こうとしているというのが、現実的な把握なのではないか。
そして中国は、中長期的な戦略的国家利益を確保するために
「反日」を利用して、東アジアでの覇権確立を狙っている。
韓国は、その中国に擦り寄り経済的な利益を獲得しようとしたが、
中国の軍事大国化が、自国にとっても安保上の死活的な問題だと気付きはじめ
豹変的な対応をしてきている。
アメリカの副大統領から「おまえ、どっちに付く気なんだ、敵側の中国に付く気か?」と
きわどいスラングで糺されたという報道がされていた。
一方で、東南アジア諸国に対しては日本の外交が効果を発揮し始めているようで
「反日」が、中韓だけが声高に言うに過ぎない、
いわば中国の軍事大国化の隠れ蓑であることが見え始めてきている。
こういう東アジア情勢の現実のただ中で、
今回の北朝鮮の緊張が勃発したということだと思う。

中国は非民主主義国家であり、
共産党による「独裁」国家という危険性がつきまとっていて
その問題が止揚されるには、かなりの時間がかかるか、不可能だと思うけれど、
そういう内政上の問題が対外的に緊張を高めもする。
長期的に見て、このことが当面する世界の不安定要因の最たるものだろう。
それと、もっと悩ましいのは、それと呼応するかたちで
日本の国論が沸騰し、核武装まで一気に到達するかも知れないということ。
日米軍事同盟というのは、戦勝宗主国アメリカによる日本支配だったわけだけれど
アメリカの東アジア非対応、スルーの結果、その内実が、
日本の「普通の国」としての変身に繋がっていくことになりそうなのだ。
そのことは世界、東アジア軍事情勢の大変化をもたらしかねない。
中国はターゲットとして日本を戦略的敵国として認識した動きを仕掛けてきているけれど
それは必ず、日本側からの反応を引き起こさざるを得ないだろうと思う。
こういう東アジア情勢の中に今あるし、
そして、危機の引き金は今回北朝鮮で引かれたと言えるのかも知れない。

今上天皇の若いときの揮毫が朝日新聞で掲載されていた。
「平和国家建設」と明瞭に書かれた、その戦後日本の国家としてのありようが、
本格的に試される気がしてならない。
なんとしても、平和を求めたいと深く思う次第です。

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