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都市の中の空地・仮設店舗

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写真は、東京南青山の風景です。
とくにこの建物にいたく感動したとか言うことではありません。
ではなくて、注目していたのは、この建物の向かい側に面白いバラック群を見つけたから。

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こっちであります。
大きさもやる気も全然違うのですが、
対峙して存在しているキッチュさに、ほぼ吸い寄せられるように見入ってしまった。
こういった感動というか、邂逅というか、
そういう雰囲気にいったん心がとらわれてしまうと、
突然フレンドリーというか、解放的心情の全面的開花というか、
が、頭のなかいっぱいにあふれかえってくるから不思議。
おもわず、オーナーとおぼしき方と会話を交わしてしまった。
「いやぁ、アバンギャルドですね〜(笑)」
「いやはや、面白がってくれる人が多いんですよね」
「失礼ですけど、これらの建物は手作りですか?」
「あ、いや、建物は、工務店に作ってもらっていますよ。」
「一応店舗になっていて、ウチはパンを売っています」
「しっかし、地価も高いだろうに、どういうことなんですか、こういう店舗って?」
「この敷地はURの持ち物で、建築計画がまだ決まらないので、その間2年間の約束で
その後の原状回復も契約条件付きで、借りているのです。」
「なので、店舗は仮設的な建物になっているのです」
「それにしても、外壁に木の枝を使ったりとなかなか前衛アート的ですね」
「あはは、まぁいろんなもののパクリですよ(笑)」
「いいなぁそういうの。でも断熱とかは、もちろんないみたいですけど」
「あ、それは一応ちゃんと外側に張ってもらってますよ、エアコンもちゃんと入れてます」
「そうですか、ふむふむ。しっかし、来てる人みんな楽しそうですよね」
「ええ、でも、興味本位で見ていって、なかなか買ってくれない(笑)」
・・・という展開で、やむなくパンを数個購入。

まぁ、パン代がもったいなかった、というのが本題ではありません(笑)。
なかなかおいしかったです。
なんとなく惹かれるって言う部分って、
人間のあたたかみとかって、どういう回路を刺激されると
盛り上がってくるモノなのか、ということに興味を刺激されたのですね。
なんとなくおかしい、っていう建築的言語は、そういう意味で
たいへん重要ななにかを持っているように思わされた次第。
まぁ、1枚目の写真のような「街並み」に居続けると、
必ずこんなくだけた雰囲気を、対称的に欲しがるモノなのではないか。
久しぶりにそんなことを想起させられた大都会の中の空間でした。

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