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能面の表現者たち

さて、きのうから平常業務に復帰いたしました。
しかし休暇はやはり仕事の効率化には欠かせないものだと思います。
通常の業務を離れてみてはじめて見えてくるものがあり、
今、自分自身がどんな位置にいて、そのことが大きな視点から見たら、
どんな意味合いがあるのかが、必然的に把握できるようになる。
そういう意味で、休暇がなければ、
「直感力」が機能しないのではないかと思うのです。
日々の仕事では、主観的な世界にどうしても没入するわけですが、
非日常の世界では、そうした自分と離れて、一個の受け手としての視点で
ものごとに対することが出来る。
そうすると、普段気付かないようなことが自然と見えてくる。
「あ、そうか」という気付きですね。
で、こういう気付きの集大成が、いわゆる直感力だと思う次第。
ただ、非日常だけでもまた目的性が明瞭でなくなる。
この両方の、ONOFFが重要なのですね。

写真は、国立博物館で見ていた「能面」です。
このほかにも多数の能面が展示されていましたが、
古代の人々の感受性が直接に伝わってくるリアルさに圧倒されます。
古典芸能とかには、このような「人間の典型」が豊かに残されています。
どの時代にあっても、人間のこころは通じるものがあり、
感じることも無限に同期できる。
その一瞬の表情から、人間のこころをすっかり表現する、
この能面たちの表情の豊かさに、驚きます。
そして、こういう能面を造形したであろう職人たちの手仕事の確かさに
ぐいぐいと引き込まれて行ってしまいます。
時間を超えて、そういった古の人々と会話が成り立つように思われます。

今回は時間がなくて
古典芸能に触れることは出来ませんでしたが、
やはり北海道に決定的に不足しているものが、こういった手業の積層、
その人間的な手触り感なのは間違いがありません。
写真などを整理していて、つくづくとそんな思いが沸き上がってきます。

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