写真は三笠市にある地元ビルダー・武部建設さんの
モデルハウス内部で撮影したものです。
このモデルハウスは、古民家再生型のコンセプトハウスで、
伝統的な日本家屋の記憶を随所にあしらった建物。
空間自体は、柱と梁が重厚な空気感を彩り、
畳や障子といった素材が懐かしい雰囲気を醸し出します。
で、極めつけ空間としての床の間の横に、
インテリア全体を引き締めるようにこの、円窓があります。
円窓って、日本的な伝統建築、寺院とかによく使われていますが、
考えてみると実にユニークな建具だなぁと、感心させられます。
こういうように窓枠を縁取るわけですが、
まずは、窓枠を丸く造作するという必要がありますね。
あたりまえですが、こういう技術、考えてみれば、
昔から日本人は得意だったのでしょうね。
壁を構成する材料、一般的には塗り壁ですが、
その下地を竹などの素材で格子状に造作します。
それ自体も丸く穴を穿っていかなければならない。
先に格子組をしてから丸鋸のようなものでくりぬくのか、
それだと、どうも格子組の下地が不安定になりそうで、
たぶん、先に丸い枠をはめ込んでから
周りの格子組を丹念に造作するのではないかと思います。
組み上げていく下地をがっしりさせながら、
表面は優美な丸いかたちを美しく仕上げていく。
いずれにせよ、他の部位に比較して
格段の注意と、細心な施工手間を掛けて
こういうデザイン性を建物に加えていったんだと思います。
そういうあたりに建築職人としてのプライドなども掛かっていたのでしょう。
基本的な建築性能を担保しながら、
こういうデザイン性の実現に全力を傾注していたのでしょうね。
現代であれば、いろいろな機械や道具があって簡易にできるのでしょうが、
手作りでこういう伝統美を継承させてきた技術に
建築への深い愛着の心を感じる次第です。
Posted on 6月 22nd, 2007 by replanmin
Filed under: 住宅性能・設備
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