きのうは帯広で換気についてのフォーラムがあり
スタッフは全員忙しいさなかなので、急遽、わたしが参加。
スウェーデンSystemair(システムエアー)社の換気の専門家2名が来日しての講演。
今週、つくばでIBEC(建築環境・省エネルギー機構)が主催する講演会があり、
その前にスケジューリングしてくれたそうです。
いつも思うのだけれど、かれらはビジネス上は英語を使用するのになれていて、
ほとんど母国語と同じように使ってプレゼンします。
比較的、ゆっくりとした話し方でもあり、
わたしたちにも、単語などが聞き取りやすく、
ジョークなどもわかりやすくて親近感を感じさせてくれます。
かれらは同じ横書きのアルファベットと近似した母国語であり、
基本的な構造は英語と同様。
なので、たぶん、標準語とディープな方言くらいの違いで、
教育もしやすいのだろうか、と思ってしまいます。
その点、やはり言葉、日本人には壁がありますね。
講演の内容は、換気の必要性についての
スウェーデンでの歴史的な流れ、その概要の紹介から、
最新の、いま日本の基準で言えば、第1種換気についての概要説明。
講演を聴いていたのも、ほとんど身近な建築関係者なので、
内容は多くは日本で紹介されているものでした。
ただし、換気の必要性が北欧でなぜ叫ばれるようになったのか、
というポイントについては、やはりかれらの言葉で聞いてみて、大変わかりやすかったです。
1970年代のオイルショック(っていうのも、もはや歴史になっているんですね)以降、
暖房が必須の気候条件に置かれているかれらは、
エネルギーの問題を大問題ととらえ、
その克服の方向性を国を挙げて、追求してきた歴史なのですね。
で、換気の必要性を端的にわからせるフレーズとして、
「車の中では換気を考えるのは当たり前なのに、
人間が90%以上の時間を過ごす建物の中での換気をなぜ考えないのですか?」
という言葉が、発せられていました。
「これは確かにわかりやすい」と思わず膝を打ちました。
これまで、こういう基本的な部分、
一般消費者に対する啓蒙の部分って、日本ではどうしても
大きくは認識されていなかったと思い至った次第。
換気というと、どうしても建築の技術的な側面ばかりが強調されて
こういう認識はなかなか普及させられなかったと思うのです。
かれらの国では、国家機関が換気についての
科学的な調査を継続的に行ってきて、
その結果に基づいて、国の機関が普及啓発に努めているようです。
写真左は、そういう機関が発行しているハンドブック。
表紙にも、あかちゃんとハウスダストを暗示させる写真が使われていますね。
こういうボトムの部分の認識の共有って、大切だと痛感しました。
産業としても、この換気産業は右肩上がりで伸ばしているようです。
先日も、王様から成長企業として表彰されたのです、と誇らしげに語っていました。
自分たちの置かれた地理的条件から、
それをむしろ前向きに活かして、産業育成につなげてきているわけです。
なかなか、商売もうまいんだ、って関心させられました(笑)。
同じ北方圏居住の人間として、大いに参考にすべきですね(笑)。
Posted on 5月 30th, 2007 by replanmin
Filed under: 住宅性能・設備
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