きのう、父がコンクリートブロックでもやしの育成工場を増築した話を書きました。
そのはるかな後年、そんなことはまったく意識していなかったのですが、わたしも現在の自宅をブロックで建てています。
たまたま竣工の時のあいさつで、なにしゃべろうか? と考えたとき、「あれ、そういえば」とその場でブロックの壁を見ながら思い当たったのでした。
その当時は、性能面とデザイン面で純粋にコンクリートブロックを選んだのでした。初期の頃の、田中知事が音頭を取っていた頃の工法では、断熱がブロック構造の内部側で行われていました。ですので、気密性が比較的に高くなるブロックでは、室内水分が外部に排出できず、室内結露になっていたのです。
その後、このブロックの家に再度光を当てて、ブロックの外側で断熱し、さらにその外側に2重の外壁をつくることで、まったく次元の違う温熱環境性能を獲得したのが、アーブ建築研究所・圓山彬雄さんと、建築家グループがつくっていた一連の外断熱2重壁コンクリートブロック住宅だったのです。
ブロックなどの石系の素材には蓄熱性能があります。この性能を活かして省エネルギーで輻射熱的にあたたかい室内環境が可能になったのです。
こんにち、充填断熱よりも施工が簡単だし宣伝にもなるから、と大騒ぎしている「外断熱」派(関東以南地域に多い)のずっと以前に、北海道ではこの建築工法はほぼ確立していました。
建築が導いてくれた縁が、父と自分とのあいだでひとつながりになったような、ふしぎな思いがしたものでした。
建てて14年になりますが、当初11年は事務所兼用住宅として、いまは専用住宅として住んでいます。1年前リフォームしたときに、気密性能を測定したところいま現在建てられている高性能住宅レベルとそうちがわない、約1cm2(平米)でした。(建物の床・壁・天井1m四方あたりに空いている隙間をはかって求める値。よりすくないほうがいい性能。)
適切なメンテナンスと愛着を持って住めば、きっと3世代くらいは使える家だと思います。
Posted on 8月 18th, 2005 by replanmin
Filed under: リプラン&事業
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