きのうの「正法寺」の続きです。
この茅葺き屋根日本一、の本堂の改修は
鹿島建設の施工、ということで、工事関係者の方も
見学の建築関係者を案内していました。
写真は、広大な本堂内部の様子です。
広さももちろんですが、圧倒されるのはその高さ。
大きな寄せ棟造りの屋根なのですが、
その内部に、通常で言えば4階ほどの高さの大空間が作られています。
それが、このような大きな吹き抜けで構成されているのです。
内部にそびえている柱や力量感のある梁は、
樹齢で言えば数百年の材ばかり。
野太い力強さで、見るものに感動的な空間体験を与えます。
「日本一の茅葺き屋根」は、こうした大空間に掛けられているわけで、
建築デザインのバランスから言っても、ものすごい量のカヤが
使用されているわけですね。
施工した鹿島建設にとっても、その力量を総動員するような工事だったろうと推測します。
基本的には大空間木造の迫力を再現させながら、
やや控えめに、ところどころ、太い鉄骨柱、梁が補強されていました。
耐震性も考えて、傾斜する地盤面に対して
補強材が据えられて、建物を引っ張るようにも考えられているようです。
伝統工法を研究しながら、そのデザインを尊重し、
一方でまた、現代的な技術も投入する、そういう工事ですね。
それにしても、800年近い昔に、こういう木造大空間を造り上げた
先人たちの営為に、深い畏敬の念を抱きます。
ひとびとに新奇性と建築的迫力で、宗教的体験を与える、という目的に向かって、
人里離れたこの地で、たぶん数十年掛けての建築工事。
改修工事を手がけながら、きっとこうした建築技術者としての
思いを追体験しただろうと思います。
やっぱり、リフォームというのは面白いものですね。
Posted on 5月 26th, 2007 by replanmin
Filed under: 住宅性能・設備
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