わたし、むかし高校生の頃、
というか高校を退学になりそうなころ(笑)、脱出するように
ヨーロッパを旅した経験があります。
北海道という大自然の季節変化をこども時代にたっぷりと
視覚体験・皮膚体験としてカラダに刷り込んであるので
たとえば、夕陽、という言葉で想起する空の燃え方がたいへん劇的であったりする。
半端ではない美しさの原体験をもって過ごしてきているのですね。
あの夕陽の美しさにもう一度会いたいなぁといつも思っています。
一度、まだまだ大自然が残っている釧路湿原地域で
晩秋の紅葉のなかに、世界全体が赤く燃えているような
シラルトロ湖の夕陽を見たことがあり、
本当に数十年ぶりの感動を覚えた記憶もあります。
で、はじめて「ヨーロッパの空」というのを見たときに
って、それは南回りでいったローマの空港で見た朝焼けの空でしたが、
トラベラーズハイという心理的昂揚感もあって
「おお、これって、すごい、違うぜ」
っていうように単純に感動していた経験があります。
たぶん、地中海気候という気候区分的世界での気象現象は、
東アジア・日本海を挟んだ大陸からの偏西風気候北限の北海道に沸き立つ雲とは
当然にして組成に微妙な違いがあるのだ、ということを表しているのでしょう。
若い感受性はそういう違いに敏感であったのでしょうか。
で、そんな体験が一生、ついて回っている部分があって、
わたし、「空ウォッチフリーク」であります(笑)。
そんなものがあるのかどうか、まったく知りませんが、
違う土地に行くと、違う雲の組成ぶりを観察するのが好きなんですね。
わたしが暮らしている札幌、それも北側の空には石狩川の大河が
微妙に影響するような低い黒雲が、嵐の時など発生することがあります。
これには、幼少時から、龍のように移動するその様を見続けてきた
記憶体験が常に重なっていまして、
小さいときからの積み重なってきた時間と照合しながら、
無意識の部分で、いろいろな脳内信号を刺激してくれているように感じています。
で、写真は関東平野の雲であります。
わたしは青春期、10年以上関東での生活体験があり、
なかなか山のない、日本最大の平野部に展開する空の高さを実感させる
関東平野の雲、というよりも、言葉としてはやはり
「関八州」という語感が似合っているような空の雲が好きでもあります。
異常性天才画家・ダリの描く空にも似た感覚があります。
写真は仙台から東京に南下した先日の新幹線車窓から撮影した、
はるか茨城県・太平洋海岸方面への広がりの空であります。
いまは関東平野というのは東京が存在するので
あんまりその実感がないのですが、
日本最大の広大な平野部であるという、きわめてまれな条件の土地だと思うのです。
で、そこに沸き起こる雲も、北海道の豊かな自然を背景とした雲とは
また違った意味で、本来、豪放なものだと思っています。
いろいろな方向からこういった関東の空に出るとき、
いつもワクワクしている少年のような自分を発見して、おかしい。
でもいつも、大好きだと思わされるのですね。変でしょうか?(笑)
ただまぁそのごく一部、霞ヶ関や永田町あたりの黒雲は
きわめて特殊な異常性黒雲だとはいえますが・・・(笑)。
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Posted on 6月 23rd, 2012 by replanmin
Filed under: 出張&旅先にて