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香木がさわやかに薫るトイレ

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福島特集、こんどは会津に来ました。
会津もことしはホント、記録的な大暖冬ですね。
大体2月のこの時期だと、ほぼ北海道札幌とも変わらない
気候という印象がありましたが、なんと、
ぽかぽか陽気で、とても冬とは思えません。
みなさんに聞いてみても、これはことしは冷夏になるのでないか、
というような声が多く、季節らしさがまったく感じられない冬を過ごしていますね。
そんななか、訪問した会津山義さんの建てた家。
こちらの会社、横山義秋さんという社長さんで、名前の真ん中の2字をとって、
会社名にした、ということだそうです。
社長は根っからの職人さんで、宮大工気質を持った一本気ぶり。
家づくりにも、その気質が真っ正直に表現されていました。
家にはいると、本物の木の香りが圧倒的に迫ってきます。
聞くと家中の床材は青森ヒバを使用しているということ。
この香ばしさは、なにものにも勝る心地よさです。
というような家なんですけれど、
写真はこの家のトイレ。
開けてみてびっくりしてしまいました。
よくバリアフリータイプの家で、トイレに手すりなどを付けるというのはよくありますが、
なんと、ここでは手すり代わりに、大黒柱のようなのが一本、すっくと立っています。
それも自然木の風合いそのままの無垢材。
で、香りが床材ばかりではなく、なんとも言えない芳香が・・・。
もちろん木の種類まではわかるまでもなく、聞いたら
「白檀です」とのお答え。
「え〜、びゃ、白檀?」とぶったまげてしまいました。
白檀といえば、古代インドから日本に香木として輸入されていた木です。
仏教の伝来とセットで、蓮なんかと同様に日本の地にもたらされたもの。
そんな素材を、トイレのもたれ木として使っているワケなんですね。
目的と手段としては、たいへん明快にわかります。
香木の香りで、さわやかな瞑想の時間を楽しもうという次第なんでしょう。
トイレ、よくみたら、反対側には坪庭へのピクチャービューも開けられています。
なんとも、「五感を刺激してくれる」しつらいなんですね。
まぁ、びっくりした次第なんですが、
こういう考え方での家づくりというのが、社長さんのポリシーなんですね。
家中、まさに本物素材のオンパレードです。
取材が終わって車中に戻っても、ずっとしばらくは木の香りが残っていて
さわやかなフィトンチッドに包まれたような空気感のなかにいました。
まぁ、すごいものです。
この家の様子は、リプラン東北版次号の福島特集に掲載されます。
見どころも一杯の家なので、ぜひごらんください。
あしたも、その一部分をご覧いただこうと思っています。
この写真を整理していたら、また残り香が漂ってくる気がします。

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