先日久しぶりに建築現場の公開があって、参観しておりました。北海道岩見沢・三笠の武部建設さんで【南幌町みどり野きた住まいるヴィレッジ】での現場です。南幌町では北海道建設局・建築指導課が推進している住宅施策に協働して、宅地開発に当たってきている。北海道の住宅施策の「見える化」としてさまざまなプロジェクトが行われてきている。
札幌から高速道路を使うと、札幌ICから3つ目の「江別東」ICで降りて約10kmほどの郊外道路を走るとこの住宅地域に到着できます。札幌市内からでも30分程度で到着可能。<一応、法定速度範囲(笑)>
北海道の住宅施策の審議委員として現実の住宅建設がどのように進行しているか、実体験も持っているべきと考えての参観でした。それと仕事の拡張として全国各地域の古建築・古民家などを巡っているので、そういうなかでリアルタイムの北海道住宅の感覚も「渇望」する部分があります。
現場担当のみなさんから説明も受けられるということで楽しく参観できました。
武部建設さんは北海道ビルダーズ協会の中心であり、同時に木造技術の継承発展を大きなテーマとして事業活動を展開されている。木造技術について北海道での中核的存在と言って過言ではない。
ということでいろいろ情報を伺って、興味は尽きることがありませんでした。
そのなかから特徴的な写真は2点。ひとつは室内のインテリアの「見せ場」として木組みの「表し」が特徴的なのですが、素材自体は集成材などなるべく標準的な材料を使い、しかしその美感について「どう見せていくか、活かしていくか」というポイントで面白かった。
この部位では大きな断面の梁材がそのまま表れているのですが、そのカットの仕方では上端と下端で斜めにカットされている。上が長く下が短くカット。このカットの仕方についてスタッフの方に聞いたら、現場大工さんの判断で、というお答えをいただいた。大工さんに直接聞いたら、たぶんもうちょっと突っ込んだ説明があったかも知れませんが、なんとなく腑に落ちる部分があった。
上から下にまっすぐに切断すれば無機的になるけれど、斜めの視線を与えることで、それを見続けていれば、納得感になっていくのではないだろうか。
2つ目の写真は、外部デッキの様子。武部さんの住宅ではデザインポイントとしてこういう外部デッキが採用されている。今回、その木材素材についてそれが「屋久杉」であることを伺った。「え、あの屋久杉を?」と聞いたら、自然素材木材のなかで防水性においてバツグンだという情報。屋久杉は「高価」という刷り込み認識があったけれど、コスパはいいということでした。
そして木組みのデザインにも強く興味を持った。毎日見続ける木組みなので、飽きがこなくて特徴的という用途を考えた結果としてこういうデザインに立ち至っている。強度保持的な意味合いも大きいのだろうけれど、ユーザーと木組みの長い「対話」のデザインという印象を持った次第。
English version⬇
The beauty and design of wood framing.
Wood is combined to create a home with a sense of power. The impression of this house design is that the residents will continue to look at the wooden structure and grow attached to it. The design of the house is based on the idea that people will continue to look at the woodwork and grow attached to it.
The other day, for the first time in a while, a construction site was open to the public and I was able to visit it. It was a site at “Midorino Kita Sumire Village” in Iwamizawa and Mikasa, Hokkaido, by Takebe Construction Co. The company has been collaborating with the housing policy promoted by the Hokkaido Construction Bureau and Building Guidance Division to develop housing sites in Minamihoro Town. Various projects have been carried out as part of the “visualization” of Hokkaido’s housing policy.
Posted on 4月 19th, 2024 by 三木 奎吾
Using the expressway from Sapporo, one can reach this residential area by exiting at the Ebetsu Higashi Interchange, the third exit from the Sapporo Interchange, and driving about 10 km on a suburban road. It takes about 30 minutes to reach this area from Sapporo City.
Filed under: 住宅取材&ウラ話
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