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日本の間取り進化

写真は日本人と間取りの研究書から
近未来的な実験住宅として建てられたマンションの間取り図です。
間取りから日本の住まいを考えるという
案外、ありそうでなかった視点で興味深い。
海外住宅の間取り例などは、ちょっとどうなの、というのもあるけれど、
日本の間取りは、なかなか興味深く見られる。

で、この間取りなんですが、
窓面に向かって4つの個室群があり、
それぞれにトイレが2戸1的に配置されている。
ベッドは2段ベットで上下で仕分けられていて
各室とも、お互いに干渉しあわない関係。
窓は「縁側」に面しており、それぞれ大きく開放できるようになっている。
トイレは、共用スペースにも配置されていて
1戸で合計3つが配置されている。
家族共用部分は単に「スペース」とだけ表現されている。
独立的な浴室・トイレがあり、洗面スペースは2コ。
あとは、台所装置があって、共用部分の中心になっている。

こういった間取りが、
これからの日本人が選択する間取りになっていくのではないか、
っていう展開なのですね。
「個人的」な部分に重要性を見いだすようなプランです。
こういう間取り、果たして「魅力的」なのだろうか?
というのが、わたしの感想なのですが、
重い「関係性」への忌避が日本人に深く根付いたものかどうか、
いわば、欧米から強制されたような「個人主義」の究極形を感じます。
キリスト教という、文書化されていない規範が厳然として存在する欧米と
そういう規範の存在しない日本との違いが
こういう間取りに端的に表れてくるのでしょうか?
これは果たして、生活文化に昇華するような流れなのでしょうか?
実にさまざまな思いが浮かんでくる間取り図であります。

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