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葦簀天井

きのう、書いた「窓の位置」について、コメントをいただきました。
おおむね、同意される投稿でした。
街並みの中で、最近のこういった傾向の建物は
いったいどのように見られているのか、
っていうような論議は、なかなか見られませんね。
建築というのは、建てる人がいて、
それには社会的な決まりもあり、
それを破らなければ、その範囲では自由に建ててしかるべきものです。
しかし、その主体の側の社会性認識は、試されるものだと思います。
そこに暮らす人が、社会に対してどのようなスタンスでいるのか、
そういうことは明瞭に現れざるを得ない。
コミュニケーションを拒否しているなぁ、と
感じる建物を建てるというのは、そのひとにとって
どのような影響をもたらしていくことになるのか、
そういう論議は、やはり必要ではないでしょうか。

さて、そっちはまた、改めて。
本日は、写真の葦簀天井であります。
土曜日の現場見学時の撮影です。
葦簀という材料は、
自然物を使って家を建てるという基本的な
人間の営みの中で、普遍的に存在しているもの。
アイヌのひとたちの住まいでは、こういった葦とか萱とかの
中空植物素材が、大変貴重な、というか
ほとんどそれしかないという建築材料であります。
色合いはまことに自然の風合いであり、
人肌にも似た、なつかしさとやすらぎ感が質朴に感じられます。
設計者に聞くと、こういう仕上げを施した建材があるのだそうで、
3×8合板に仕上げられたものを天井仕上げとして
貼り込んだ、というワケなのだそうです。
価格としては、まぁクロスを貼るほどには安くはないけれど、
塗り壁仕上げとの比較では安いかなぁ、というレベルだそうです。
合板と、自然素材の葦が、どのように接着されているのか、は
調べてみたいところですが、
見た感じ、糊の匂いがガンガン感じられるという風ではない。
材料としてみたら、なかなか「ゆらぎ」を感じる。
細やかな部分に自然材料らしいバラツキがあって
それが、微妙な変化をもたらしていて、
外部からの日射の陰影、壁面からの反射光の照り返し、
照明からの光への凹凸や不揃いな幅などが
楽しい質感をもたらしてくれます。
合板状になっているのであれば、
施工はやりやすいだろうし、まぁちょっと面白みのある材料だと感じました。

きのうは、アキレスさんの工務店ネットワークの
オープンセミナーが開催されておりました。
週初めの月曜日にもかかわらず、70名以上の参加とか。
最近、断熱材のメーカーによる工務店組織化は
あんまり活発ではないところですが、
頑張っている様子でした。楽しい話題も聞けたセミナーでした。

北のくらしデザインセンター
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