このブログでも何回か紹介してきている
Q1.0(キューワン)住宅の最新事例です。
札幌市東区に建てられた住宅で、先般工事中に公開されたときの様子。
再度説明すると、Q1.0(キューワン)住宅っていうのは
いまの「次世代住宅性能基準」で定められた建物全体の熱損失係数(Q値)1.6kwを
さらに高性能化して、Q値を1.0kwにまでしよう、
従って、灯油などの家庭内での暖房用エネルギー消費を半減させよう、
という住宅高性能化運動です。
新住協北海道エリアのメンバーが取り組んでいて、
折から石油の大幅な値上がりという要因や、
また全国的にも大変な寒波の襲来が目立ったこの冬の気候もあり、
いろいろな波及効果を見せていて、大きなうねりを呼んでいます。
ご紹介するのは、その中心になって活動している武部建設さんの最近の住宅。
引き渡し前の、仕上げ工事がすんでいない段階です。
外観からは大きな窓が特徴で、こんなに大きな開口部を開けてデザイン重視で大丈夫?
って、思わせられるのですが、いろいろな工夫を組み合わせて
性能とデザインのバランスをとっている建物でした。
大きな窓はガラスは三重ガラスですが、枠の造作や取り付けなどはコストダウンを図って
メーカー製の木製サッシではなく、現場施工のフィックス窓。
もちろんいろいろと高性能化は追求していますが、
なんといっても窓としては巨大なので、その分の熱損失は
避けられないのですが、それを建物全体のプランでカバーして
性能を追求しながら、同時にデザインの自由度もけっして犠牲にはしていない建物。
象徴的なのは、写真右の室内露出の換気のダクトパイプ。
換気装置は1種換気(吸気も排気も機械でコントロールする)を採用していますが、
一般的に採用されるジャバラ状のダクトには問題点も指摘されていることから
圧損ロスがありえない塩ビ管の直交パイプを採用しているのです。
一見すると、剥き出しで、これはなに?状態ですが
よく見てくると、わたしたち北海道人には懐かしい、昔の室内煙突を連想させます。
黒く塗られていて、デザインの印象も考えられている作戦。
う〜ん、うまい、と思わずうなってしまいました。
性能を追求しながらも、人の暮らしに触れるような部分では、けっしてデザインを無視しない
むしろ、その調和を知恵と工夫で追求する。そういう姿勢をかいま見させて貰いました。
ぜひこういう楽しい工夫に満ちた住宅、どんどん建って欲しいものです。
Posted on 3月 23rd, 2006 by replanmin
Filed under: 住宅性能・設備
コメントを投稿
「※誹謗中傷や、悪意のある書き込み、営利目的などのコメントを防ぐために、投稿された全てのコメントは一時的に保留されますのでご了承ください。」
You must be logged in to post a comment.