けさの日経メルマガ・ケンプラッツで
「美味しんぼ」に学会反論 という記事が出ておりました。
▼日本建築学会が木造禁止を巡り「美味しんぼ」に反論
日本建築学会は、1959年に同会が「木造禁止」を提起した際の
経緯などを解説する文章を公表した。
人気マンガ「美味しんぼ」のなかの、
「日本の家屋で国産材の使用率が著しく低い一因は、
日本建築学会が59年に木造建築を否定したため」という趣旨の記述に関して、
読者から事実を確認する問い合わせが2件、寄せられたためだ。
▼日本建築学会のウェブサイトに掲載された解説文
マンガにもいろいろありますが、
わが家では、美味しんぼは親子2代にわたっての愛読書。
最近1年くらいの最新版はどうしているか
記憶にありませんが、
初巻から全部を通巻で購入して、日々誰かが愛読する、
という本になっております。
最近は坊主が愛読しておりまして、
食事時など、たのしく読みふけっております。
食べ物に対する感受性もあるようなので、
かれにとっては、まぁバイブル的な存在ですね。
これまでも、美味しんぼはいろいろなことについて
社会的な問題提起も行ってきたと思います。
作者の方の姿勢が、そのような部分を持っているのだろうと思っています。
今回は、その矛先が日本建築学会に向けられたという次第。
内容を読んでみると、美味しんぼの指摘は
おおむね常識的なことであり、
そのまんまだと思います。
一方で、過去の伊勢湾台風の住宅被害をつぶさに検証した
日本建築学会の「木造禁止」提案も、その時代的背景からすれば
やむを得なかった部分はあると思います。
また、日本の建築教育が木造をまったく無視しつづけてきた
というのは、その通りであったと思います。
最近になって、部分的に修正してきているけれど
一貫してコンクリート建築にシフトし続けてきたのが実態。
そういう姿勢の結果、日本国産木材が使われなくなってしまった
背景を構成していた、というのはその通りでしょう。
伝統的木工法という工法に対して
その耐震性能判断を一貫して忌避し続けてきたことも事実。
まぁ、美味しんぼは、いい指摘をしてくれたものだと思います。
一方で、ヨーロッパでは、
省エネの流れもあって、木造に対する関心が非常に高まっている。
木造で作ることが、CO2を削減してサスティナブルである
という考えが、深く浸透してその方向に発展を遂げている。
この分野で、立ち後れている日本の建築が
本来、世界をリードする大型木造技術蓄積を持っている国であるにもかかわらず
世界から置いていかれる危険性まで高まっていると思います。
いま、目先は人気がない民主党ですが、
公共建築を木造で建てるべきだ、という主張をしているところは
評価すべきでしょうね。
さてこの論争、というか、きっかけ、
なにか、変化を生み出すことができないものでしょうか。
ということで、
今晩は、久しぶりに美味しんぼ、読もうかなぁ(笑)
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Posted on 8月 19th, 2010 by replanmin
Filed under: 状況・政治への発言
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