さてきのうの新住協総会、研究会発表の報告について
そこそこ反響をいただきました。
ということで、若干の追記をしたいと思います。
この「階間エアコン冷暖房」の発表者であった
オーガニックスタジオ新潟の相模さんはなかなか表現力のある方で
「ホントは冷蔵庫メーカー巨大企業のやっているナカミを、
その原理に基づいて零細企業と研究者の連合が木造住宅を使って
まるで中世の一向一揆みたいに住宅で実現しようとしている」と表現していた。
高断熱高気密住宅というのは、外気の気候条件とは
高いレベルでの「隔絶空間」を作り上げる基礎的要素技術であり、
その内部の気候をコントロール可能にするというもの。
寒冷地では寒ければ死ぬという切実なテーマ解決が要請されることから
まさに必須技術として、それも道庁など地方政府組織まで含めた
「オープンな」技術として進化してきた。
その技術を蒸暑の日本の夏の気候に対してアジャストさせると、
その要素技術として、これも世界最先端のヒートポンプ技術、
日本のエアコンを「オープンな」カタチで解析していくことになる。
エアコンはコンパクトな「家電製品」として流通させる商品。
扱う「素材」も鉄であったり樹脂であったり化学素材であるのですが、
木造住宅はもっと「自然」な素材、木とか紙とか、土とかを使ってつくる。
もちろん工場管理され出荷される設備機器も部材としては導入されるけれど、
それはワンパートであり、総体としては自然な素材で基本構成される。
寒冷地発祥の建築技術体系で自然な気候コントロールができて
やわらかい自然素材の組み合わせでそのことが実現可能になったので、
その先で、木造の気候コントロール装置つくりが現実的に見えてきた。
個人的には「涼房」という概念に近いのではないかと思うのですが、
基本的にそういうことなのだろうと思います。
冷蔵装置の場合は「冷凍」までの必要があるのですが、
この「木造涼房建築装置」は、あくまでも結露点を管理しながら、
温度で言えば25-28度前後、相対湿度も50-60%程度を維持する目標になる。
人間の体感センサーの「快適」範囲を維持するということ。
寒冷地発祥の気候コントロール技術ですが、それが確立することで
人類人口が圧倒的に多い世界の蒸暑地域での
潜在的「発展可能性」はより広い、というように言えるでしょうね。
さて拙ブログ、一方で北海道住宅の進化初源への歴史相関的探究ですが、
たいへん心強い研究者の方から協力の申し出もいただきました。
整理整頓して、徐々に進めていきたいと思います。乞うご期待。
Posted on 10月 4th, 2019 by 三木 奎吾
Filed under: 住宅マーケティング, 住宅性能・設備
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