先日来、好きで取り上げている藁の家。
どうも、こういう構成がたまりませんね。
この写真では、まぁ台所なんですが、
キッチンは工業製の出荷品。
水が水道から出てきて、IHクッキングヒーターが調理用火力を提供する。
こういう部分は、「現代の快適性」を保証する部分。
「世界標準に近い暮らし方」というものの快適性は否定しようがない。
それに対して、そういう暮らしをつつんでいる建物では、
古材の梁であるとか、
壁の重厚な土壁、天井の葦簀など、
全くの天然的な材料で構成されている。
そういう素材への回帰的心情というモノが、
現代人に強く存在する、ということを表現しているのでしょうか。
お金で考えれば、
たとえばローコストで売っているビルダーなどは、
現代的な工場出荷品のアッセンブルそのものですね。
かれらの家づくりというのは、
徹底した価格合理性だけにフォーカスしたモノ。
現場というのは、そういうモノたちを組み立てるだけに徹している。
多くの場合は、「打合せ」と言っても、
営業マンレベルで簡単な間取り図でパカパカと進む。
打合せも、メーカーのショールームなどで
「これを使います」というかたちで、
一見、「現物を確認した」ように見せかける手法で進んでいく。
よくしたもので、そういうカタログショッピング的なことが
「透明」性であると思うユーザー層も存在する。
そういう家の求め方というモノも一方に存在するけれど、
この写真のような求め方というのも、存在する。
まぁ、どちらがいい、とかいうものではない。
しかし確実に、どっちの建て主が会って面白そうか、といえば、
まぁ、写真のような家を志向する人間かとも思う。
というか、工業製品の寄せ集めに飽き足るのかどうか、
そういうことなのかも知れない。
家づくりになにを求めるのか、
その違いと言うものであり、たまたま住宅の選択だけのことなのかも知れない。
知らないで、まぁ生活要件的に「なんでもいいや」という
住む場所だけの選択ならば、工業製品でもいいとも言えるのでしょう。
そういう場合、感動とか思いとかは関係ないわけで、
作る側も、そういう合理性だけに絞って提供することになる。
雑誌なんて言うメディアを作っていると、
このあたりのバランスに敏感になってきますね。
北のくらしデザインセンター
NPO住宅クレーム110番|イザというときに役立つ 住まいのQ&A
北海道・東北の住宅雑誌[Replan(リプラン)]|家づくり・住まいの相談・会社選び
Posted on 6月 21st, 2010 by replanmin
Filed under: 住宅取材&ウラ話
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