今月中旬から来月、本州地区から見学予定の南幌「きた住まいる」モデル。
暖房給湯システムは地域集中LPガスやボンベ設置型プロパンが使われました。
合計10社の地域優良工務店+設計事務所たちが合議して、
最適と考えられた熱源・システムとして地域集中LPガスが3棟で採用され
ほか2棟では、プロパンボンベ設置型を選択されたようです。
北海道の地方では事実上、電気か石油かLPガスという選択になる。
3.11以降、オール電化への過度な依存から脱却して
さまざまな試行が繰り返されてきましたが、
今回、多くのモデルハウス参加者たちが、このような結論を出した。
取材したのは、山之内設計と晃和住宅コンビの住宅です。
ここでは暖房給湯システムとしてアースチューブをくぐらせて
地熱で加温させた新鮮外気を取り入れ床下空間に導入する。
そこでLPガス熱源の「エコジョーズ」によって加温させる。
そこで加温調整された暖気が、各階の床の一部、大きな開口部周辺の
「ガラリ」からゆったりと上昇気流に乗って室内に充満する。
給湯も同じエコジョーズから供給される。
加温に際して発生するロスの熱も、ヒートポンプ技術で活用する。
言ってみれば、パッシブな換気・地熱・ヒートポンプの合わせ技といったところ。
ことに暖房について言えば、室内での大きな「暖房器」は見当たらない。
寒冷地北海道では、どうしても冬の暖房熱源は必要。
そのなかでもっともコスパが現状でいいと考えられた
LPガスを地域単位で導入することで、イニシアルコストも軽減させられた。
かなり合理性が高いシステム構成だと考えられます。
写真は新鮮外気取り入れ口の様子と、温水循環のパイピングコントロール状況。
冬期間の積雪も考慮して、ひとの身長くらいの高さまで
コンクリートブロックでパイプが保護、被覆されています。
こういった様子を見ていると、まさに北海道での暖房選択は、
いかに短期間に変遷が繰り返されてきたかがわかります。
わたしがウォッチしてきたここ30年でも当初期からはまさに隔世の感。
合理主義的な選択が北海道では標準だと思い知らされる。
カタチにとらわれず、柔軟に最適解を求めていく市場のダイナミズムを感じます。
Posted on 7月 9th, 2018 by 三木 奎吾
Filed under: 住宅マーケティング
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