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【メンドい生活革新がリフォーム需要を阻害】

今回の一連の自宅・事務所の環境更新のなかで最初の変化、
自宅からの一時撤収、引っ越しを本日行います。
約27年間住み慣れた家からの「引っ越し」作業は想像を超える難事業。
住宅のリノベ、リフォームマーケット発展の難しさの
大きな要因は「生活の大革新」の面倒さにあるのではと痛感します。
やはり多くの人間は基本的に「生活保守主義」が自然。
きのうまであったふつうの暮らしの安寧が、革新への魅力を凌駕する。
リフォームを決断するためには、
まずは次の住まい方への明確なビジョンを確立する必要がある。
「このように暮らしたいから」という目的が不可欠。
今回わたしの場合は、仕事上の必要性から決断したのですが、
ふつうの生活者が、いまの暮らし方をまったく変える決断を
そう軽く下せるようになるとは想像しがたい。
新築の場合は、それまでがおおむね賃貸住宅なので仮の住み処から
「抜け出したい」という強い行動欲求意識がはたらく。
それに対してリフォームは「安住の住み処」をあえて更新するので、
より強い動機が絶対必要になってくる。
そのようにまでして「次のライフステージ」への強い思いを作れるか、
事業者と施主の関係に深く思いを致さざるを得ません。
実感的に、リフォーム決断には背中を押す大きな変化が不可欠。

現代人は移動が大きな生活環境因子ではある。
企業に生活基盤を置くサラリーマン世帯にとって、
「転勤」などの対応は避けられない。それは、
「次のライフステージ」という決断の一つの機会にはなり得るけれど、
多くの場合は、社宅として用意される賃貸住宅などが利用される。
定置的な所有住宅に手を加えるケースはそう多くはない。
企業会計からもそういう経費増は容認しにくい。
現状では日本の「賃貸住宅」品質レベルは、オーナー側の経済的理由を
主要因として低レベルで生産されてきているのが現実。
ある程度、新築戸建て生活を手に入れた層にとって、
そのような現状の賃貸住宅品質は、実需に対応しているかどうか疑問。
もっと住みごこちのいい住宅への欲求はあると思われる。
ここには一定の住需要マーケット存在理由があるかもしれない。
それこそ「支店長」クラスの人材流動による企業活性化のために、
戸建ての中古物件を社宅利用物件として一定の品質向上させる、
というような企業側からの需要があり得るのかも。
こういう「流動層」を別にすれば、企業戦士的生き方ではない、
むしろ特定の地域に愛着を感じて住み続ける層が次に考えるべき対象。
こういった社会的な層がどれくらいであるのか、
検証してみなければならないけれど、
新築需要としては大きな母集団ではあるだろうが、
企業戦士層と比較すれば、たぶん所得的には相対的に
大きくは期待はしにくいのではないだろうか。
リフォームという需要の盛り上がりターゲットとして
大きな塊をそこに見出しうるかと考えれば、やや心許ない。

いろいろな住マーケッティングの検証機会として、この経験・体験は
大きな判断軸になるものだと気付いてきています。
写真は引っ越しにともなって神棚を整理して
移転をお願いした神さまたちの「神札」の数々であります。
「神さま同士、けんかする」というような意見もあるようですが、
わたしはあんまり気にしない主義。むしろ人生の友、
気長な趣味として、たくさんの神さまが見守ってくれていることに
いつも感謝して楽しく暮らしております。

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