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【東大建築学専攻 「もがく建築家、理論を考える」】


東京での出版広告関係の知人から、
「この本についての意見を知らせて欲しい」ということで、
写真のような本が送られてきていました。
1週間くらい前だと思いますが、昨夜から本日早朝にかけて、
ようやく読了できました。やった(笑)。
内容は、東京大学建築学専攻(略称T_ADS)という隈研吾さんと小淵祐介さん、
どちらも東大で教鞭を執られているふたりが中心になった企画。
「1945年の敗戦から、1964年の東京オリンピック、そして2020年の2回目の
東京オリンピック。このあいだの日本の建築は、あらゆる意味で近代の矛盾を
引き受けてきました。よく世界の人たちから
“日本の建築はどうしてこんなにおもしろいのか”と聞かれますが、
それは日本の建築がそれだけ矛盾にさらされて、矛盾の中でもがいてきたから。
そのもがき方がおもしろかったんだと思う。今回の企画では、
そのもがきの渦の中で戦った建築家たちの肉声を通じて、
日本建築のおもしろさを感じ取ってもらいたいと思います。(隈研吾)」
という趣旨がカバーに書かれています。
大きさは新書版の大きさでしかし、260ページで3cm近い厚さがあり、
装丁デザインのめずらしい工夫として、2枚目の写真のような帳合。
紙質もやや厚めで、見開きで開いてもきれいに2ページが読みやすい。
ちょっと面白い綴じ方だなぁと思いました。

東大の教授経験者を中心にして、
戦後の東大建築学の始祖として国立代々木競技場を設計した丹下健三を
軸線に据えながら、磯崎新、香山壽夫、藤森照信、大野秀敏、妹島和世、隈研吾の
6人の建築家に対して、このようなテーマで似合う作品を挙げてもらって、
その建築について作者自身が語り、そして建築の「理論」を
インタビューしていくという形式の本です。
というか、この企画自体はWEBでの全世界公開の無料オンライン講座が
タネ元のようで、詳細な様子が公開されているそうです。
「現代日本建築の四相」という講座のようで、現在はこの「理論」篇が公開されている。
面白そうなのでわたしも登録したのですが、まだよく確認できていない(泣)。

という次第で、わたしのような地方住宅雑誌ごときが
その内容についてあれこれ言うようなことではないと思われるのですが、
まぁせっかく送られてきたことだし、内容はすこぶる面白かった(笑)です。
個人的には、次号「技術」篇では安藤忠雄、難波和彦が登場するということなので、
そっちの方をぜひしっかり熟読したいものだと思っています。
モダニズムと日本文化の統合を果たした丹下健三を基本軸にして
それ以降の東大建築学を舞台にした日本建築の葛藤が、紹介されている。
その推移を論議レベルを下げることなく、一般にも伝えたいというのが趣旨とのこと。
なので、わたしのような人間にも縁があったのかも知れません。
いくつか、気付くこともあったのですが、明日以降、
それをテーマにして考えを整理して、いく篇か書いてみたいと思います。
きょうは、新住協の研修会で丸田絢子さんの話も聞きますので、
いろいろ考えも聞いてみたいと思ってもおります。

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