北海道で暮らすという選択の中で、
もっとも大きな趣向性はなんといっても、大自然に抱かれた暮らし。
夏のここちよさはごく自然だとして、
大地を日々感じながら、冬のきびしい猛吹雪が吹き付ける中でも、
薪ストーブのあかりと暖かさに包まれて、家族で重ねていくくらしには、
無上のよろこびに満ちた、ひとが生きる味わいがあると思います。
父として母として、子どもたちにもっとも感じさせたいことでもあるでしょう。
この地は北海道最大の平野部、石狩平野を北東側から見晴るかす高台、
馬追(まおい)の山並み丘陵南西斜面に立地しています。
遠く札幌の街並みや石狩湾、暑寒別連山の山並みまでが遠望される
北海道でも有数のロケーションの土地柄。
この建物の周辺にはそうした環境に魅せられた家々が散在していて、
北海道らしい居住環境を楽しんでいる。
オーナーにお話しを伺ったら、札幌まで通勤されると言うこと。
ここからクルマで15分ほどの「北広島駅」へ。そこで駐車場を借りて
そこからは新千歳空港線も走っていて利便性の高いJRを利用する。
通勤に要する時間はおおむね1時間程度。
首都圏との対比で考えれば、通勤の時間は十分許容範囲。
それでこうした、まるで別荘に暮らしているかのような居住環境が得られる。
最近、移住者の方が明解にもつこうした志向性に
北海道のひとたち、とくに札幌などの都市部に育った世代の人から
同心するような志向性をもつひとが増えてきていると思います。
以前の北海道ネイティブには、こうした志向はあまり強くなかった。
すばらしい眺望が得られているのに、その価値感をむしろ
「山ばっかりしかないんだわ」と否定的にしか捉えなかった。
「コンビニもない」というような、ひたすら利便性に拝跪する考え方。
住宅の性能も向上して、こうした風雪に直にさらされるような環境であっても、
室内環境は、まったくの別世界が容易に実現できる。
そういった「つくる技術」の情報拡散が行き渡ってきて、暮らし方のイメージに
大きく幅が広がってきているのかも知れない。
シンプルに考えて、札幌のような都市文化とのアクセスも容易で
しかもこんなふうに大自然と対話するような暮らしもできるのだと、
若い世代ほど、多くのひとが気付きはじめているのかも知れない。
そういう楽しい暮らし方文化、自然との交歓、その土地らしい住文化が
さまざまに根付いていって欲しいと思います。
なお、設計施工はヨシケンさんです。http://www.daichinoie.co.jp/
Posted on 6月 4th, 2017 by 三木 奎吾
Filed under: 住宅マーケティング, 住宅取材&ウラ話
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