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【日本建築・東京的主流との「戦略的対話」】

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先般来、新建築住宅特集の「環境住宅特集」を契機にして
東京で「環境」に関心を持つ建築家のみなさんとの対話が進行しています。
そういうなかでも、建築家・難波和彦さんは旧知ということもあり、
またちょうど北海道で、氏の「箱の家」の計画が進行していることから
面談やメールなどでの対話が成立しています。
わたしが「論文」にモノを申し上げた川島範久さんの東大での恩師に当たる。
そういうことなので、日頃から感じている
表題のようなことについて、率直な意見を交換させていただいています。
以下は、そういうやりとりの中のわたしからの一節。

私どものReplan誌ではどんな住宅でも「断熱仕様」というスペック項目を
住宅取材の基本情報として25年以上にわたって
ユーザーに意識的・啓蒙的に情報提供しています。
床もしくは基礎・壁・天井もしくは屋根などの「断熱構成」を
一般ユーザーに意図的に開示してきたのです。
室内環境を担保する「断熱」とはどういうものか、常識化を願った活動。
こういう活動が徐々に「ごく当たり前」のことになって、北海道では
少なくとも建築のプロの間で、住宅建築「共通言語常識」が成立している。
そういう活動からの流れで、わたし自身も北海道の住宅政策である
「北海道R住宅」という性能向上リフォーム基準・制度・組織の立ち上げ、
ビルダーの組織化、一般ユーザーへの啓蒙など広範に関わってきました。
そこでは地域金融機関(北洋銀行)にまで働きかけ、
この「北海道R住宅」仕様住宅に、独自に新築同様35年ローンが実現した。
築40年の住宅がそこからさらに35年のローンが可能になった。
事実上、住宅性能価値に投資する意味の「ノンリコースローン」だったと。
そういう地域住宅制度を担保する「地域認証」として、
非破壊・目視の検査手法を独自開発した「住宅検査人」制度の創設や、
地域住宅性能制度「BIS<断熱施工技術資格>」技術者関与規定など、
いま国・国交省、経産省が推進している諸制度の骨格は、
北海道が先導して社会的に制度設計してきた実績があると思います。
わたしたち北海道では、こうした地域のテーマで官学民が協力し合い、
地域の建築家もその一翼を大きく担っていると思います。

やはり基本認識において、十分な「対話」が必要と強く思います。
私ども北海道的立場からすると、「環境建築」ということの理解において
むしろ北米・北欧とは世界標準的な情報共有が可能だけれど、
住宅建築の「常識」部分で、日本国内・北海道と東京ではズレが存在する。
幸い、そういった主流の中で難波さんは隔意なく対話可能な存在。
今後、氏の住宅作品のプロセスも情報共有させていただき、
国内での南北の対話の幅を大きく広げていきたいと念願しています。

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