昼前、ある設計者の死を知ることになる。
かれの師匠に当たる設計者からの情報。
思わず絶句した。
若い、あまりにも若い・・・。
もう5年以上前くらいか、かれが建てた自宅兼用事務所を
雑誌で掲載した。
その建築への方向性に、大いに期待感を抱いた。
その後、北海道らしいそのスタイルを好もしく思い、
何度も、本州地域からの住宅見学者が来る度に、その家を案内した。
その度に、こころよく見学をさせていただいた。
設計者の名前は、奥村晃司さん。
ちょうど、いま刷り上がった別冊特集号でも、
かれの住宅を取り上げている。
いろいろ考えたけれど、やはり予定通り出版しようと思う。
設計者にとって、発表の機会というのは貴重だ。
わたしたち雑誌社には、そういう役割というものがある。
当たり前のことを淡々と、約束したことはきちんと果たす。
たとえ、いま、すでにかれは語ることができないとしても、
それが、筋道なのだと思った。
夕方、情報を確認して、お宅に向かった。
本日からは東京出張が入っている。
ご焼香だけでも、ご挨拶しておきたいと思った次第。
奥さんは気丈に、お話ししていただいた。
まだ45才。
娘さんは、かれのデスマスクに人形をすりつけていた。
まるで、まだ生きてある父親とじゃれ合っているように・・・。
手短かに、出版は予定通りすることをご報告した。
スタッフと同行したのだけれど、
帰りの車中は、言葉が出なかった。
人の世の無常を、思わざるを得ない。
かれから10以上も年を重ねている自分が、
送ることになるのだ、そんな思いが無口にさせる。
これから、いくつものこういうことが積み重なっていくのだろう。
すでに何人か、送ってきたように。
「北海道の建築を良くしたい」
そう言いながら逝った知人もいた。
生きていることの意味を、深く沈思せざるを得ないと思います。
合掌。
北のくらしデザインセンター
NPO住宅クレーム110番|イザというときに役立つ 住まいのQ&A
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Posted on 10月 20th, 2009 by replanmin
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