長く住宅雑誌をやっていると、気になる家の記憶が積層してきて
いろんな場所をクルマで走っていて、気付くことが増えてくる。
札幌市内でも、いろんな場所を走っていて、ふと
「あ、あの家の近くだ」というような既視体験を味わうことが多くなってきます。
きのうは、天気もイマイチだったので、
遠出はあきらめて、ニセコや積丹周辺を回っていました。
・・・って、十分に遠出かも知れませんね(笑)。
先週のクルマトラブルによるトラウマを払拭するドライブでした。
なんですが、札幌市南区周辺から定山渓へと向かう
国道のバイパスとして利用されている間道沿いに建っている
この家は、ちょうど場所が憶えやすいこともあって
なんどもなんども見続けてきていた。
建物正面には、市の保護自然林施設があるようです。
きのうも、ふと見掛けていて、通りすがってから
「あれ、なんかいつもと違う」と思ってバックして確認したら、
ごらんのように「売り家」の表示。
札幌軟石という開拓時代の建築素材としてポピュラーだった
材料を使った建物で、よさげに木造を継ぎ足していて雰囲気は悪くない。
周辺にたぶん自生していたようなクリの巨木があって、
建物に陰影感を与えてくれている。
こういった軟石は、北海道の地元産材としてのブロックに先行する材で
歴史的建造物となっている建物も多い。
しかし、たんに保存だけするというのもなにかおかしいといつも思う。
やっぱり建物は使い続けて、手を加えていってはじめて艶が出てくる。
それぞれに時代に似合うように手直しして使い続けている姿を見ると
うれしくなってくるものだと思います。
というふうにこの建物を見ていたので、ちょっと複雑。
わが家はブロックで作っているという親近感もあるのでしょうか?
北海道らしい建築としての価値はあるかと思います。
たぶん、農家の倉庫建築として最初建てられて
その後、住宅に改造されたのではないかと推測していました。
建築として折り目正しさも感じられるので、
どうも誰か、知人の設計者が関与しているのかも知れません。
中古住宅として売り出されているという表示なので今回、写真公開しました。
情報公開に先立って、不動産屋さんに連絡し確認も取っています。
経緯としては、札幌市内の方が別荘として利用されてきたようです。
ただし、べつに宣伝的な意味はまったくありません。
Posted on 7月 19th, 2015 by 三木 奎吾
Filed under: 住宅取材&ウラ話
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