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サイバー空間での戦争危険性

2002

北朝鮮によると見られるソニー子会社のパロディ映画への攻撃が
大きな波紋を呼んできている。
過去の戦争とは違う概念での「戦争」が、
サイバー空間を舞台にして仕掛けられている実態が見えてきている。
全米での映画公開を直前にして、テロ発生脅迫への危惧から
公開を見送ったソニー子会社の判断に対して
明確にオバマ政権は異議を唱え、「相応の対応」を取ると明言した。
仕掛けられたサイバー戦争行為に対して、報復を明言したに等しい。
現代の情報技術の基盤を形成しているサイバー空間・インターネットの
主導権・覇権を独占的に握っているアメリカが、
どんな手段を選んでくるのかと見ていたら、
さっそく、北朝鮮のインターネットが9時間以上、使えなくなったと言われる。
北朝鮮のインターネットへの接続方法の情報が明示されたり
イスラム国に北朝鮮製の武器が渡っているというような情報もさっそく出てきた。
断片的にこうして情報が出てきているけれど、
さて、どんな「作戦行動」がおこなわれたのか、まだ情報は明瞭ではない。
今後起こりうるサイバー戦争というものがどんな形になるのか
そのひとつの「機会」ではあるのだろうと思う。
少しずつしか情報は出てこないだろうが、
仔細の状況について注意深く見ていきたいと思っております。

現代での「戦争」は、まちがいなくサイバー空間は大きな「戦場」にはなる。
今回の事態では、その問題の起点が
日本企業・ソニー子会社作成の映画であるという状況を通じて
日本社会も現代戦争に関わることは避けられないことが明確になった。
オバマ政権によるソニー子会社の判断への批判とは
安全最優先・人命最優先という日本的・経営的価値観判断が、
それとしても危機を呼びうるという事例を示している。
そもそもこういう映画を制作したことについてのマネジメント、危機管理面で
日本関連企業・社会の体質に疑問が突きつけられたともいえる。
言論とか、文化というような事柄も
安全保障の枠組みから完全に無縁ではあり得ないことが理解出来る。
余談にはなるけれど、中韓両国による反日のアメリカ社会への「仕掛け」なども
広義の意味では、安全保障に属する部分があると思う。
いやそれでも言論の自由の原則に沿って、
覚悟を持って、国家間のあつれきに発展するような事態になることも仕方ない、
自分には責任も関係もないという「朝日新聞」のような姿勢も、
あって悪いとまではもちろん言えないけれど
しかし少なくとも、自らの行動・経営判断が
現代では戦争の起点にもなり得ると認識すべきだというのは
経営をしていく上では常識になってこざるを得ない。
とくにグローバル企業としては、避けられない経営リスクになり得る。
いずれにせよ、今回の事態、注視に値すると思います。

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