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東京国際ブックフェア2013

1367

きのうは東京ビッグサイトで開催の表題イベントに参加。
ただし、その後の予定が詰まっていて、
駆け足の会場巡りになってしまいました。
基調講演で、角川書店の角川歴彦会長さんが講演されると言うことで
それを聞いてから、目星のつけたピンポイントを見てきました。
角川さんの講演では以下のようなお話しが展開していました。
日本の出版界は、13年間継続している右肩下がりの状況の中にあります。
あきらかにインターネットによる情報化社会の中で
舵取りの方向性を打ち出せないまま、
IT企業によるデジタル革命に飲み込まれつつあることを表している。
そのIT企業についても、Google、Amazon、Apple、Facebookといった
「4強」というように表現されていて、
日本の出版界の危機感を際だたせていました。
そういった「デジタル革命」への対抗意識に燃えて
角川さん・講談社さん・紀伊國屋書店さんが
一同に壇上に上がって、結束をはじめるというように宣言されていました。
いわゆる「業界的」にはニュースなのかも知れないけれど、
さて、一般消費者にはどのようにこのことが伝わるのか、
疑問も感じました。

そもそも、わたしどものような新規弱小地方出版から見ると、
日本の既存出版システムは、
守るべきものであると言うようには必ずしも受け取れない部分があるのです。
これまで戦後70年間続いてきた「既得権益構造」の側からは
「たいへんすばらしい既得権益の蜜の園」だったようです。
既成大手出版社+流通事業者+全国書店という
鉄のトライアングルからすると、
この構造は非常に魅力的な「既得権益まみれ」のマーケット構造であり、
そこに魅力に満ちたコンテンツさえ流し込めば、
経営的安定性を得られる事業環境だったと言うこと。
日本の出版社業界くらい安定した事業環境はないのは事実として明確です。
戦後一貫して、小学館・講談社・集英社などなど、
「大手出版社」というヒエラルキーが固定化されてきている。
そういった構造を維持するための装置になっていて、
たとえユーザーから、その固定化について異議申し立てがあっても、
事実としては、押しつぶしてきたのが実体なのではないかと思われます。
というよりも、そういったガラパゴス的な環境に慣れて
上手に対応するだけで、ほとんど「競争」という概念がなかった。
そういった意味では、
IT事業者による業界破壊もまた、やむを得ない部分なのかも知れない。

そんなような雑感を感じながら
壇上でお話しされているみなさんの姿を追っていた次第です。

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