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アイヌの手作り靴

きのうの続きであります。
アイヌ社会の生き生きとした展示で
ひときわ面白さが際だっている旭川市博物館の展示より。
アイヌの社会では、
たとえば、結婚に際して男性がその新居の構造材料を切り出してきて
茅葺きなどの作業はコタン全体で一気に仕上げる
ということだったようです。
一方、女性は、結婚式に着る衣装や、
その他、生活に必要な民具の類も自作することが基本。
写真のような見事な造作の靴も自作するのですね。
まぁ、日本社会でも基本的には同様だったのでしょうが、
まだ、分業社会の進展があったと思われるのに対して
アイヌ社会では、より自作の文化が残り続けた。
この靴は、ぶどうの蔓草で加工したものだそうで、
実に自然の素材の特性を活かしたものが考えられている。
シナの木の樹皮を撚り会わせて繊維をを形成して
衣類を造る、というように、実に奥深い生活文化を持っている。

今の時代、
こういった手作りの技術というのは
どんどん鈍磨してきていて、
工場製品しかなくなってしまっているのが現状ですが、
しかし、こういった技術の延命ということは
心がけていく必要があると感じます。
まぁでもやっぱり、難しいのだろうなぁ・・・。
で、デジタルに変換した文化に対して、たとえばアナログの
レコードがしぶとく生き残って、希少価値を発揮するような
そういう価値観転換が起こって、ようやく見直される
文化というのは、たぶん、そういうものなのでしょうね。

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