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盛岡再生22_古さと新しさの調和

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写真は盛岡の家の玄関入り口の床面と、
玄関を入ってすぐの天井の照明の枠。
どちらも既存の家から、使用していた材料を引き継いだものです。
来訪者に取っては、新しさの中に古さが混在したものと
受け取られるものですが、住んでいる人に取っては
それまでの暮らしの継続感を想起させてくれる証ですね。
例のアスベスト問題で放送継続が困難になった
住宅テレビ番組でも定番のようにこの手法が使われていました。
って、あの番組では
ディレクターなどの制作側サイドから
設計者に対して、そういうリクエストが明確にあったそうで、
視聴率優先の「視聴者に受けるツボ」と考えれば、
よく理解できるなぁと思っておりました。
実際取材していて、高齢者の方などの場合、
すべてを新しくするよりも、たとえば間取りなどを
大きく変えない方が、「ストレス」にならないのだ、という話を聞きます。
作り手の側に取っては、ここが腕の見せ所、と考えるでしょうが
そういう側面もあるということですね。
まぁ、だからといって全部同じ間取りというのでは
あまりにも芸がない。
ほんの少し、骨格的には既存間取りを踏襲しながら
使い勝手や、デザイン面で驚くほどスムーズな変化
というのが、狙いのところではあるのでしょうか。
まぁ、それは理想論かもしれません。
この盛岡の家では、
間取りなどの基本、玄関からの導線や居間の位置などは
以前のものを踏襲しています。
ただし、住宅性能的には全く一新したので
当然、壁などは全く新しくなりました。
そういうことから、以前の家からの素材をこういう形で
再利用することにしたようです。
家の中にこういうの発見するのって、案外楽しいものです。
訪問者と家人との会話がこういう形で弾むって言うのも
なかなかいい。
だいたいは、使われる材料には家人にとっての
それぞれの思い入れがあるものですから
そこから豊かなコミュニケーションが広がるともいえますね。

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