帰省中の息子とカミさん家族3人での遠出であります。
息子は大学の友人たちと北海道各地探訪の旅をしてきて、
その途次で、旭川から1時間くらい離れた上川郡・愛別町でキャンプした。
そのとき、町場で晩メシを食べようとして、目に付いた「そば屋」さんを
友人たちと訪れたというのです。
「メッチャ建物が立派だった」と興奮気味に話していた。
なんでも東京銀座や神楽坂にも店を持つオーナーが出店しているという。
「?、なになに」という次第であります。
北海道は広いので、いろいろな建物は建っているでしょうが、
経済合理性から考えて、失礼ながら愛別でそういう店舗があっても
なかなか維持していくのは難しいだろうと推測される。
そんな興味を夫婦とも抱いて、久しぶりの家族水入らずの遠出で
その店を探訪してみたいと、やってきた次第であります。
種明かしは、容易に知れた。
開店が11時ということで出掛けたら、到着は30分前以上。
やや時間つぶしはしていたけれど、ちょっと早めにお店にうかがったら、
件のオーナーさんと、その親御さんと庭先・駐車場で顔を合わせた。
で、さっそく「取材」開始であります。
こういう好奇心はわが家夫婦とも積極的であります。
二言三言交わすうちに、オーナーさんは東京銀座で「サロン・ド慎太郎」という
ニューハーフのサロンを経営されている方とのこと。
で、愛別町が出身で、お父さんは愛別町長も務められた方。
そういうなかで愛別町の中心街で洋館と日本庭園の旧商家を入手され、
それを改修して「蕎麦割烹」としてオープンさせたのだということ。
オーナーは京都に遊学されてから、ニューハーフとして花柳界にデビューされ、
大阪北新地で売れっ子になり、24才で独立後大阪で「サロン・ド慎太郎」を開業。
東京銀座にも進出されたという事業魂の塊のような方。
パンフをみたら「世界に羽ばたく(かもしれない)銀座・慎太郎グループ」
と記載されユーモアのセンスはまことに秀逸。あ、タイトルはパクリです(笑)。
さすがに会話が機知に富んでいて、また文化全般、勉強されていることも
自ずと明らかな話題の豊富さ、回転の速さです。
わたしとしては建築の興味で、この旧家のリニューアルと店舗デザインに
興味を強く持った次第。
「もちろん、毎月赤字です」とキッパリサッパリと話される(笑)。
しかし北海道人としては、こういう「投資」を地方にしていただけるのは、
たいへんありがたいし、強い親近感も持たされます。
「やべ・しんたろう」といまの総理の父親と音が一字違いという話題も、
なんかどっかで聞いたことがあるような気もします。
「父にこの建物の購入話がきたとき、あんまり値切っちゃだめよ、と言いました」
というように、見学させていただいた旧屋はすばらしいたたずまい。
2階の奥座敷からはすばらしく丹精された日本庭園。
また、生け花も、金沢から来られた華道家が生けられていました。
床の間と壁側の生け花と器の取り合わせは、まことに芸術的。
とくに虫が葉を食ったフキを1本、それも剣山ナシで生けられる器で
すっくと立てさせている様には、驚かされました。
こういう自然造形を装飾的美に仕立てる力量と審美眼は目を見張らされます。
「みんな面白がって、クルクル回したりするんです(笑)」と
華道家の方から説明されましたが、
こういう「奥行き」は、これからの北海道が育てていかなければならない部分。
応援の気持ちを込めて、一番高いメニューのランチ、1,300円相当を
奮発して、いただいてきました(笑)。
天ぷらは地元のマイタケが見事な肉厚でまことにジューシーな味わい。
「粋人館」電話01658-6-5077
愛別・粋人館
Posted on 8月 13th, 2018 by 三木 奎吾
Filed under: 住宅マーケティング
コメントを投稿
「※誹謗中傷や、悪意のある書き込み、営利目的などのコメントを防ぐために、投稿された全てのコメントは一時的に保留されますのでご了承ください。」
You must be logged in to post a comment.