上の写真はNASAが公開した地球各地の夜の写真。
わたしたちから見れば日常見慣れた日本列島形状だけれど、
それがライトアップされて「右を向いた龍」「アジアに背を向けた龍」というように
WEB上で世界の人たちから人気になっているとされていた。
先日、レバノン杉を使った古代エジプトの外洋交易船製造の話を書いたとき、
中東地域に広大に広がっていたレバノン杉の大森林が、
古代文明発達の資源基盤になった事実と、一方でその絶滅的伐採と環境破壊を
知ることができたのですが、翻って日本列島は多雨の湿潤気候であり
日本全土が生態学的に森林が発達する事実に今更ながら、強い思いを抱いた。
ようするに「生物多様性」ということでは、環境大国ともいえるのではないか。
たしかに戦国期など、国土森林の荒廃が見られたとされるけれど、
現状までの復元力をみれば、この多雨の湿潤気候はすごい資産だろう。
〜北は宗谷岬の北緯46度から南は北緯20度の沖ノ鳥島、
西は東経123度の与那国島から東は東経158度の南鳥島まで
広大な海域を囲み経済水域の総面積は陸地面積の10倍以上の
約450万平方キロで、世界6位にランクされる。
北海道および本州の高山は亜寒帯に、南西諸島と小笠原諸島は亜熱帯に属し、
それが本邦の自然環境をきわめて多様にしている。列島の平均雨量は
1600ミリあって湿潤気候で日本全土が生態学的に森林発達条件を備えている。
そのため国土の3分の2が森林で覆われている。
CIコンサベーション・インターナショナル(地球自然遺産である生物多様性を保全し
自然と調和して生きることをミッションとする国際NGO)は、
世界の「地球上で生物多様性の特に豊かな地域」として日本列島を追加した。
ホットスポットには、東アジア地域ではわが国のほかフィリピン、中国西南部、
インド-ビルマ、ヒマラヤが含まれている。すなわち、日本の豊かな生物多様性を
世界が認めたのであり、わが国土が如何に恵まれているかを証明するものといえる。
戦後教育で自虐的に「日本は無資源国」と定義したことがそのまま修正されずに
今日に至っていて、「自虐的史観」戦後歴史教育がやり玉に挙げられるが、
むしろ「日本の自然の過小評価」の方がそれ以上であろう。〜
以上、豊かな日本の生物多様性より要旨抜粋。
わたしたちの国土では世界的に稀有な「縄文」という定住社会が実現していた。
農耕以前の社会段階であるのに、定住していたというのは、
豊かな生物多様性資産「海の幸・山の幸」が人口を養っていた事実を証明している。
文明は資源としての石油を基盤とした現代世界を作り上げてきたけれど、
こういった気候「資産」や、海洋資源「資産」が生み出しうる資源的可能性は、
非常に大きいのではないかと考えられる。
現代が開発したバイオ技術やIT技術を活用すれば、可能性は広がる。
この気候資産は住宅というテーマにとっても、プラスメリットと考えられる。
普遍的な人間居住環境を可能にする北方的断熱技術を基礎にしながら、
多様な気候に対応した住宅建築技術、文化を創造し世界に発信することができる。
国の持つ資源を最大限に活用し、平和的な社会と産業を創造する、
われわれが面白い地球的な位置にいることを気付く必要があると思わされる。
Posted on 11月 29th, 2017 by 三木 奎吾
Filed under: 住宅マーケティング
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