十勝から帰還してきました。
毎年数回はこの十勝の住宅の現在のありようを見る機会がある。
特定地域の「定点観測」的な住宅視察は、いろいろな気付きを得られる。
きのうご紹介したような施工過程の様子は非常に学べるのですが、
出来上がった住宅もきわめて興味深い。
この住宅は若い年代のデュオによる建築会社・ウッドライフの事例。
ちょうどわたし的には、家族の集う空間としては
リビングよりもダイニングの方がより現代的に重要なのではないかと
そんなふうに思っていたところに見学できた住宅。
たぶん、いま子育てまっ最中の年代は、夫婦共働きが主流。
そうすると家族がともに時間を過ごすのは、
リビングで会話を楽しむ、テレビを囲んで団欒するというよりも、
圧倒的に、食べ物をいっしょに作って、いっしょに楽しむことの意味が
最大化するのではないかと思っているのです。
このことはきっとテレビの大型化をも促した要因でもあるかも知れません。
テレビ画面がより小さかった時代、テレビ視聴には集中する必要があったけれど、
大型化したことで、より遠景としてもよくなった。
そうすると、食事との「ながら」の方がよりリラックスできる。
まぁテレビの大型化については、こういった要因が
世界的に同時に、相互作用的にはたらいた結果なのでしょう。
とくに労働力不足が深刻化してくる日本社会では
女性も働く割合が今後とも進展していくことは間違いがない。
この家のようなダイニング空間の演出が重要になってくるのではないか。
この住宅の場合は、キッチンが凹型にカウンターで囲まれている。
調理スペースは2人で立ってもなんとかなる広さ。
で、カウンターの幅は100cmを超えている。
キッチン調理カウンターの方も面材はダイニングカウンターと同じ面材。
さらに床材の木質と色合いもそろえた天井仕上げまで施されている。
キッチンシンクもこのインテリアとの調和を優先させて
ステンレスではなく鋳物で構成されていて、
居住性重視で全体がまとめられています。
椅子もプラスチック製品ですが、適度なクッション感があって、
主張せず、リラックスできる素材選択。
なかなかいい雰囲気を作っているダイニング空間だと思いました。
惜しむらくは、置かれていた雑誌にReplan誌がなかった(笑)。残念。
Posted on 6月 29th, 2017 by 三木 奎吾
Filed under: 住宅マーケティング, 住宅取材&ウラ話
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