さて、ニッポンのいちばん古い家、箱木千年家の写真紹介です。
わたしの興味のままに100枚くらいの写真を撮ってきたので、
とても紹介はしきれません。ほんのごく一部の写真です。
まずは、概要をwikipediaなどWEBからの要旨抜粋で。
箱木家住宅は、兵庫県神戸市北区山田町衝原にある歴史的建造物。
国の重要文化財(1967年6月15日指定)。「箱木千年家」の通称で
広く知られる日本最古と推定される民家の一つである。
室町時代建立の主屋(「おもや」)、江戸時代建立の「離れ」(「はなれ」)の
2棟が重要文化財に指定され、他に築山、中庭、納屋、土蔵等が遺存する。
『摂津名所図会』などの近世の記録によれば、
806年に建てられたとされ、近世初期から「千年家」と呼ばれていた。
806年という年代を信じれば、創建から1,200年を生き続けた、
文字通りの千年家。2005年に当初材の松の柱6本の
放射性炭素年代測定を行った結果、年輪の最も外側の炭素濃度から、
1283-1307年(鎌倉時代後期)に伐採された木が使われていることが
わかったとされている。そうだとしても700-800年の古民家。
たぶん、創建は1,200年前後で何度か建て替えを繰り返したに違いない。
人間と住宅の長き営みに思いを致さざるを得ない。
住宅に関わって生きてきた人間として、ひたすらリスペクトを感じる。
間取り図は以下の通り。
向かって右側が母屋で、左側に「離れ」が別棟で建っている。
いろりのある母屋の縁側を持つ「おもて」が、主室だとわかりますが、
1番上の写真には、使い込まれて人肌からの油分が
床板に積層して、まるで飴色のような光沢を見せている。
その端正で重厚な「装飾要素」に、無上の黄金感が漂ってきます。
時間を経てきた建材の醸し出す独特の「いごこち」が
満腔をしずかに満たしていく。
主室は床が張られていて、1段あがった空間ですが、
母屋の面積の半分程度は土間空間で、一部は「厩」になっている。
台所など、生活上の機能的要素で構成されている。
当然ながら小屋組がそのまま表された平屋。
こうした時代にあって使われた構造材や「板」などの高価さを思うと、
地域の地侍であったこの家の家格を感じます。
ただただ、正直でまっとうな建材がこの家を支え続けてきた
その長き時間が醸し出す空間美に圧倒される次第であります。
Posted on 9月 1st, 2016 by 三木 奎吾
Filed under: 古民家シリーズ
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