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北海道Tハウスの家リフォーム_1

Tハウス、という北海道地元のハウスメーカーがありました。
木造住宅にこだわって、大工出身の社長の
強烈な個性で、一時期、北海道で有力な存在になっていました。
無落雪で、M型屋根・スノーダクトという
画期的な工法を宣伝し、特許問題で係争も起こしたり
たいへん話題も多い企業でした。
スノーダクトというのは、雪を屋根に載せたままにしておいて、
徐々に融けていく雪水をドレンパイプで、流そうという考えでした。
この「雪が自然に融ける」という考えは、
太陽熱で融ける、という以上に、屋根面の断熱不良で出る熱を
融雪に使おうという、まぁ、断熱は無理だと考えたうえでの
利用という考えのように思われました。
でも発表された当時は、画期的ともてはやされたものでした。
その後、北海道全体での断熱気密化住宅への工法開発の流れに
ひとり超然として、ガンとして工法を進化させずに推移していました。
まぁ、2008年に事業が行き詰まり、自己破産したのですが、
その建てた住宅の数も多く、
リフォームの時期を迎えている建物もたいへん多い。

きのうは、そんな住宅を「北海道R住宅」仕様で
全面的にリフォームした住宅を取材いたしました。
ポイントはいくつかあるのですが、
デザイン的にも特徴的だった「袖壁」の雨仕舞い処理の不備から来る
漏水による構造木部の腐れ問題がありました。
2階にはほぼベランダが設置されているデザインなのですが、
ここに袖壁が建てられ、そこに開口も開けられているのです。
通風を考えてのものだったと思いますが、
その開口まわりの水仕舞いが甘い。
で、そこの部分は通し柱に近接している部分なので、
水が入り込んでいって、遠し柱に水分が供給され続けていたのです。
解体の結果、その構造材のくされが確認され
交換を余儀なくされたと言うことです。

現在の工法では、
万が一、雨水が入ったとしても、
「防水シート」が構造材の外側に張られた上に、
「通気層」が入ってきた水分を、排出する働きもしてくれます。
残念ながら、ここでは通気層工法が取られていなかったのですね。

この工事については
ちょっと何回かに分けて触れていきたいと思います。
<写真はリフォーム後の玄関前>

北のくらしデザインセンター
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