わたしは、一般的ニッポン人の志向性として
琳派とか、茶の湯とかの文化には親近感を持っています。
今回の出張では東京で1日行動できたので、
要件をこなしながら、合間に山種美術館と東京国立博物館を探訪しました。
一方で琳派の「花の絵」と、片方では「茶の湯」文化の展示会が開かれていた。
本日は、琳派の絵の方であります。
展示会の案内は、同美術館の開催案内には要旨こうあります。
〜春夏秋冬の中でさまざまな表情をみせる自然の姿は、
古くから日本人の心を魅了してきました。とりわけ、四季折々に咲き誇る花は、
季節を象徴するモティーフとして愛好され、描き継がれています。
その表現には、単独の花、鳥や昆虫との組み合わせ、
一画面に描く構成など、個性豊かなバリエーションが生み出されました。
当館では春爛漫に合わせ花をテーマとした企画展を開催いたします。
日本美術に描かれた梅、桜、牡丹、薔薇、百合、紫陽花、朝顔、菊、桔梗、
水仙、椿などの代表的な花を通して、江戸時代から現代までの
華麗なる絵画の世界をご覧ください。
江戸時代、琳派の絵師たちは季節の草花や花木を多く題材としました。
花を風物や鳥と組み合わせて趣きある世界を作り上げた
酒井抱一《月梅図》、《菊小禽図》、
濃彩で四季の草花を鮮やかに配した鈴木其一《四季花鳥図》。
金地、豊かな色彩を用いた装飾的な画面、斬新なデザイン性を持つ
琳派の作品は、時代を経ても色あせることのない魅力を放っています。〜
という次第で、まことに人生の句読点として
たのしく豪華な時間をたのしむことができます。
で、なんと、この手の展示会としてはきわめて異例なことに、
写真の酒井抱一《月梅図》については写真撮影許諾が明示されていた(!)
この絵はどうもこの美術館の所有ではなく借り出されたものなのかもしれませんね。
で、その所有者の方の篤志で撮影の許可が得られたのかも。
こういった展示会というのはあるテーマの元に作品を蒐集する。
その際に自分たち所有のものだけでは展示構成がむずかしい。
たまたま、こういったケースも発生するのでしょう。
ありがたく、iPhoneカメラを向けさせていただきました。
ただ、作品保護のためにガラスケースに入っているのですが、
その表面に後ろ側からの光源の映り込みが避けられない。
・・・なんですが、もちろん贅沢は言えませんね。
琳派の絵師さんたちの中でも、武家の徳川氏家臣・酒井家出自の
酒井抱一さんは、西洋絵画でのルネ・マグリットのような位置ではないかと、
ずっと思い続けています。
わたしが仕事とした広告の領域で、表現の基本的姿勢において、
日本人としては琳派の美術は基本ではないかと思うのですが、
そのなかでも、もっとも近しいと感じさせられる
「ものの見方」「テーマ的切り取り方」「構図表現」を見せてくれます。
この画像、一部には修正も施してみているのですが、
そこそこ個人として画像処理を楽しめる画像解像度のデータです。
6月18日(日) まで東京恵比寿の山種美術館で開催中ですよ。
Posted on 5月 18th, 2017 by 三木 奎吾
Filed under: 日本社会・文化研究
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