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【人と森の対話 オオウバユリとの再会】



一昨日も散歩路でのオシドリの生態観察を動画でお知らせしましたが、
いっときの大雨続きをようやく脱して、札幌も
夏のいのちの躍動があちこちで確認できるようになって来ました。

で、アイヌのひとたちのソウルフードとされるオオウバユリであります。
この植物の球根を掘り出して、粉を取りだして料理するそうです。
やや湿気の多い林の中で、すっくと立ち上がっているオオウバユリたちの姿は
なんとなく森の精霊のような雰囲気を漂わせます。
ことしはここしばらく半月ほど、散歩に行けない日が続き、
このオオウバユリたちの姿を見失っていたのですが、
ようやく天候が戻って来て、森の中の散歩路で再会できた。
そう、再会というコトバがいちばんピッタリくる。
いまは成長の早い個体で上のような開花段階で、
下の写真のようなさまざまな表情が見られている。
こういう植物たちとの対面というのも、なかなか楽しいものがある。
かれらの球根部分を粉砕してから水にさらして精製するというのですが、
そういったアイヌの人々の連綿とした暮らしの知恵にも思いが募る。
やはり栽培植物ではない、ある尊厳を持った野生の存在と感じさせられる。
食させていただく、それこそ「いのちをいただく」感じが伝わってくる。

この北海道ではほんの200年も前くらいまでは、
そうした人間と自然との対話があり続けていたことが想起されます。
この時期、札幌での散歩の無上の楽しみの一つです。

【新住協・堀部安嗣セミナー+南幌見学会】

さてかねてから情報をお知らせしていた南幌見学会・新住協版が
事務局から正式にアナウンスされました。案内文は以下の通り。

堀部安嗣氏セミナー+見学会 ご案内
〜(一社)新住協札幌支部長 武部英治
北海道在住理事 須藤芳巳 阿部利典
発信:事務局 白井康永〜
●東京在住の建築家・堀部安嗣氏セミナー+見学会を8月1,2日に開催します。
両日とも鎌田先生が参加されます。8月1日のセミナーは会員外も参加OK、
その後の懇親会と翌2日の見学会は新住協会員限定です。
2日目の見学が終わったあと、みんなでご飯を食べながら
見学物件について質疑応答をしたいと思います。
-記-
1.セミナー(セミナーのみ参加オープン)
◇日 時:8月1日(水) 13時30分~16時40分
◇会 場:北海道建設会館9階大ホール(札幌市中央区北4条西3丁目1)

◇参加費:新住協会員は無料
2.懇親会:札幌駅近くで17時30分から.5,000円程度の会費
3.南幌見学会
◇日 時:8月2日(木) 10時30分~14時10分ころまで
◇会 場:みどり野きた住まいるヴィレッジ(南幌町美園)
地図はこちら
◇参加費:2,000円(昼食代)
申込み〆切:7月28日(土)
問い合わせについては、写真画像を参照してください。

という次第になっています。セミナーについてはオープン形式なので、
ぜひ多くのみなさんの参加を期待します。
ただ、翌日の「南幌見学会」の方がもっと面白そうです(笑)。
堀部さんは住宅作家として、本州地域でたいへん評価が高い設計者ですが、
残念ながら北海道での建築実績はないということ。
積雪寒冷をはじめとする北海道の自然風土と格闘した結果、
獲得された「高断熱高気密」という技術基盤の意味合いを体感してもらうには
本当はそういった経験も期待したいと思っています。
いまは高断熱高気密に真剣に取り組まれていると、良く語られています。
その堀部さんが北海道の住宅の作り手とどのような対話になるか、
他地域とはすこし違って、鎌田紀彦先生にも率直な意見交換をする
北海道の作り手のみなさんがどう突っ込んでいくのか、興味津々(笑)。
今回の南幌での地域工務店+北海道建築家のコラボを
北海道庁がその住宅施策の表現としてバックアップしているという、
こういう北海道住宅のありよう全体が、伝わって欲しいと念願します。

【オシドリ母子主演で動画投稿に挑戦】

さて、これでうまくいくのかなぁ? 状態であります(笑)。
わたしは毎日情報発信というキメを守りたいとブログ書き続けていますが、
その表現で動画なども配信できたら、幅が広がるなぁと思ってきました。
ただ、いくつかクリアしなければならないこともありそう。
ということでとりあえず、手近な動画素材として
久しぶりに出掛けられた散歩路での「オシドリ」母子に登場願った。
ここ数年、札幌円山公園の池周辺に生息しているかれらを生態観察中。
オシドリ夫婦が春先に仲良くデートすると、一定期間後、
こういった光景が見られるようになる(笑)。
デートのランデブーぶりまで遭遇したこともあるし、
なんと期せずして「新婚旅行」まで散歩中に遭遇させられた。
まぁ、ほほえましい自然界の子孫繁栄のにぎやかぶりであります。
で、その後のオシドリ母さんの子育て教育奮闘記も毎度の光景。
ちょうどきのうは、小鳥さんたちの成長通過儀礼としての
高所からの低所水面へのジャンプの場面に遭遇した。
母さんオシドリが、小鳥たちを誘導して「ハイハイ、飛ぶのよ」
って、せかしつづけている。
一方、小鳥たちはあちこちと動き回って激しい動揺を隠せない。
しかたないと、まるでずり落ちるように落下してみると
水面がショックを和らげてくれて、カラダを受け止めてくれる。
「なんだ、やってみたら大したことないな」
みたいなボディアクションで羽根の水をハラって、誇らしげ。
その兄弟の様子を見ても、まだ上から飛べないヤツもいる。
その気持ち、末っ子のわたし、よ〜〜くわかります(笑)。
「どうしよう、どうしよう」と逃げ惑う。
母さんはさらにせかしてくる。「こう降りるのよ」と教えるように飛ぶ。
最後に残った2羽も、どうやら落下した。
下の水面で親子たちがめでたく合流、という一幕であります。

さて、この一幕芝居動画、うまく再生いただけますでしょうか?
成功したら、いろいろ今後は動画も交えた情報発信に
挑戦していきたいと思います。ReplanWEBとも連携して
情報ソースの拡張に取り組みますので、今後ともよろしくお願いします。

【イマドキ北海道の暖房給湯システム】


今月中旬から来月、本州地区から見学予定の南幌「きた住まいる」モデル。
暖房給湯システムは地域集中LPガスやボンベ設置型プロパンが使われました。
合計10社の地域優良工務店+設計事務所たちが合議して、
最適と考えられた熱源・システムとして地域集中LPガスが3棟で採用され
ほか2棟では、プロパンボンベ設置型を選択されたようです。
北海道の地方では事実上、電気か石油かLPガスという選択になる。
3.11以降、オール電化への過度な依存から脱却して
さまざまな試行が繰り返されてきましたが、
今回、多くのモデルハウス参加者たちが、このような結論を出した。
取材したのは、山之内設計と晃和住宅コンビの住宅です。
ここでは暖房給湯システムとしてアースチューブをくぐらせて
地熱で加温させた新鮮外気を取り入れ床下空間に導入する。
そこでLPガス熱源の「エコジョーズ」によって加温させる。
そこで加温調整された暖気が、各階の床の一部、大きな開口部周辺の
「ガラリ」からゆったりと上昇気流に乗って室内に充満する。
給湯も同じエコジョーズから供給される。
加温に際して発生するロスの熱も、ヒートポンプ技術で活用する。
言ってみれば、パッシブな換気・地熱・ヒートポンプの合わせ技といったところ。
ことに暖房について言えば、室内での大きな「暖房器」は見当たらない。
寒冷地北海道では、どうしても冬の暖房熱源は必要。
そのなかでもっともコスパが現状でいいと考えられた
LPガスを地域単位で導入することで、イニシアルコストも軽減させられた。
かなり合理性が高いシステム構成だと考えられます。

写真は新鮮外気取り入れ口の様子と、温水循環のパイピングコントロール状況。
冬期間の積雪も考慮して、ひとの身長くらいの高さまで
コンクリートブロックでパイプが保護、被覆されています。
こういった様子を見ていると、まさに北海道での暖房選択は、
いかに短期間に変遷が繰り返されてきたかがわかります。
わたしがウォッチしてきたここ30年でも当初期からはまさに隔世の感。
合理主義的な選択が北海道では標準だと思い知らされる。
カタチにとらわれず、柔軟に最適解を求めていく市場のダイナミズムを感じます。

【水害・土砂災害お見舞い申し上げます】

西日本一帯を襲っている大雨、すさまじいですね。
おかげさまで北海道札幌は一段落したような状況ですが、
全国ニュースから目を離せませんでした。
ちょうどスタッフが関西出張中で多くのみなさんから、
「こんななかを来てくれて・・・」ということだったようですが、飛行機は飛ぶのかとか、
行く先々の被害の状況とか気になって仕方ありませんでした。
関西からも京都鴨川の増水ぶりがテレビでも流れていて
鴨川沿いの先斗町の飲食店の「床」がほとんど水面に浮かんでいる様子。
四条大橋直下まで水量が増している様を見て驚かされました。

さらに数年前にも大きな土砂災害があった広島市で
またふたたび大きな住宅地での地盤崩壊が発生して、
現在で死者20人超というむごたらしい被害状況。
安全であるべきシェルターとしての住宅が、その建っている地盤状況で一変して
ひとの命を保全できなかったニュースをみて、
まことに暗澹たる思いを持っております。亡くなられた方々のご冥福をお祈りし、
被災されたすべてのみなさんにお見舞い申し上げます。
それにしてもまたしても広島市住宅街であります。
中国地方の「大蛇」伝承というのは、あれは土壌崩壊のさまをあらわした
寓話的表現ではないかと想像させられることがあります。
雨に弱い地盤構造がこの地域の特徴で、大雨が続くと山が崩壊して
まるで大蛇のように押し流されて行ってしまう。その様子ではないかと。
そもそも平らな地面が地形的に確保されづらくて、
住宅地を求めて、そのような危険姓のある場所に開発が行われてきた、
そういった土地・地域の事情が関係しているのではないかと危惧される。
以前、14年の土砂災害の時にもそういった感想を持ったのですが、
今回再び、同様の事態が起こってしまったことがなんとも悲しい。
わたしの3代前の祖父は広島県福山から北海道に移住したのですが、
どうしても広島のことが、身内のことのように心配させられます。
気候変動対応としてシェルターとしての住宅内環境を制御していくことは
建築技術の大きなテーマとして追究されていくべきですが、
まちづくりとか、地盤面の安全性向上も緊急度は高い。
注文戸建て住宅づくりのその基礎を文字通り支えることがらですので、
ぜひ、多くの知見が結集されていくことを祈念しております。

【空海開基・東長寺の「地獄図」参観】



本日は休日につき、非住宅ネタであります、それも
おっかない地獄の阿鼻叫喚図についてであります(笑)。
現代社会では「科学」という人間の価値判断基準が支配的になっています。
ごく当然だとそのことを思ってしまいますが、
こういうことは歴史的に見るときわめてごく最近、人類が経験していること。
科学的概念が広がる以前には、ひとはどう生きて考えたらいいか、
多くの場合、宗教がそのことにもっとも大きく関与していた。
生きがたく苦しみだけが多い現世の暮らしを離れ、
せめてあの世での救済を希ったのでしょう。
そのときに、反語表現として「地獄」という概念が持ち出されたのは、
どうも洋の東西を問わないらしいようです。
ふつうの会話にこうした「地獄」というバーチャルな概念が強く残り、
ひとの生き方に大きく影響したというのは、
相当に強烈なインパクトを「地獄」概念が持っていたからなのでしょう。
こういうバーチャル概念がなぜ広がっていったのか?
20世紀中庸に生まれた者としてリアルには想起しづらいものがある。
なぜこんな概念に深くとらわれていたのか、疑問もあった。
ときどき、寺院などでこの「地獄図」は見たことがありますが、
先日、福岡市内で時間待ちの時に、博多駅近くの「東長寺」で見学できた。

弘法大師・空海さんは宗教者としての成功を
唐の都で勝ち取って、意気揚々と凱旋帰国したのですが、
そのときの日本政府側との交渉の結果なのか、
しばらく博多に滞在していた。その時にこの寺を建てたとされている。
空海さんには司馬遼太郎さんの「空海の風景」を読んで興味を持ったのですが、
その空海さんと、この「地獄絵図」はあんまり結びつかない。
むしろもっと「科学的」宗教者であったように思われてならない。
満濃池の治水事業などを指揮し、成功させたという科学的知識が
ふかく時の権力層をかしづかせていったに違いないと思える。
ですから、この地獄絵図は迷える衆生のため、
わかりやすくキッチュな表現を後世になって造作したのでしょう。
空海さんとはまったく縁のない図だろうと思います。

それにしても、であります。
こういういかにもおどろおどろしくヘタな表現には迫力がある(笑)。
その上、この地獄絵図は暗い回廊の中に展示されている。
いかにもおっかない場所で、驚かせる表現を心がけている。
むしろそういう宗教側の必死さが伝わってくるように思います。
考えてみれば、芸能とかの娯楽接触が少ない時代、
またメディアが存在していない時代、こういう寺院は多くの人間が
集まってバーチャル体験を共有する数少ない機会。
そんな風景の中で、こういう表現にはニーズがあり、
クチコミの大きな手段であったのでしょうね。
寺というのは宗教と言うよりも、メディアだったのではないかと、
人間の想像力、表現力について興味深く見学させていただきました。

【気候変動から人を守るシェルター機能住宅へ】

先週金曜日に沖縄から帰ってきて北見に行って
その後、日曜日からきのう木曜日までほぼ雨ばかり。
さすがに5日間も雨ばかりだったので、北海道も梅雨を考えた
家づくりをしていかなければと思わされた。
郷土を同じくする者として、建築家の山本亜耕さんから、
「北海道にも梅雨は既にありますね。なので対策は必要だと思います。」
「(わたしの雨への愚痴に)まったくですね・・ただ別の視点で見ると
-15℃から梅雨まで克服できたら又一つ進化できるかもしれません。」
っていうような書き込みもいただきました。
蒸暑地・沖縄のみなさんからも取材まとめについて必要な写真資料を
ご丁寧に送っていただいたりしておりましたが、
このように北海道は北海道で気候対応の進化は不可欠なのでしょう。
気候が大きく変動している時代の家づくり、お互いに学び合うことが必要。
さらに仙台の三浦正博さんからは、気候変動についての
「宇宙線由来説」という情報もお知らせいただいたりしておりました。
現在のCO2由来説のほかに、もうちょっとビッグスパンでの
気候変動要因の解析も必要という視点でした。

いずれにせよ、気象庁発表の警告が、
「これまで経験したことのない」というような表現が頻発される時代。
住宅が果たしていく、人間健康シェルターとしての役割は
どんどんと大きく広がって行っていると思います。
断熱気密という基本要件がほぼ確立して、北海道の場合にはかなり一般レベルで
その他の地域でも相当の進展が見られるようになって来て、
気候条件に対して、住宅はより柔軟に人間を守っていく機能を果たせる。
っていうか、具体的にどうすればいいかの方向感覚は見えている。
外気条件と仕分けて考えられるような室内気候条件を確立することで
このような対応力も高まっていくのだろうと思います。
また考えてみれば、このようにSNSを使って情報共有が、
それこそ日本語文化圏内では幅広く行われてきている現実ですね。
住宅というのはそこに「住文化」が伴っているので、
同じ民族同士の情報交換では、知識を共有して理解しあえる基盤が幅広い。
共感が深い、というようにも言えますね。
沖縄での蒸暑気候での室内湿度コントロールの知見が
北海道のあらたな「梅雨対策」にとってのヒントになる可能性もある。
ちょうど、沖縄でもほぼ北海道と同じレベルの断熱気密の住宅も出来た。
そういう室内気候の状況は、お互いの知見の情報共有の
ひとつの機会にもなって行くかも知れません。
室内気候コントロールの手段が断熱気密で確保されてきて
ひたすら外気導入、通風に頼らざるを得なかった建築技術の時代から
適切な室内気候制御システムの知恵も活用できる時代。
どうもこういう住宅の可能性って、単なる「需要を満たす」というレベルから
もっと「よりよく暮らす」レベルへと移ろっていくことを
垣間見せ始めているのかも知れませんね。

【日本の建築を支えるアジアンたち】

沖縄で建築現場をみることが出来た今回のツアーでしたが、
印象的だったのは、糸満の建築現場で働いていたベトナム人職人さんたち。
一応いまの立場は「研修生」というものでした。
日本の人口構成が急速に高齢化していくなかで、
暑い日中の屋外労働のようなキツい仕事では人手不足は必然。
そもそも若年層の労働人口が減ってきているので、
こういった趨勢はやむを得ない側面がありますね。
日本でも事実上の労働力の自由化の方向に向かい始めたようです。
議論はあるでしょうが、経済実態から考えれば労働力受け入れは自然。
現実に建築関係では60代でも現役という職人さんが多い。
早晩、そういう職種では人手不足がより深刻にならざるを得ない。
経済を考えていけば、こうした担い手問題は喫緊の課題です。
日本人か外国人かで、出来る仕事に大きな違いがあるわけではないし、
日本社会の「公平性」が問われてくる状況が近未来に見える。
忙しく働いている職人さんにあれこれと聞くわけにも行かなかったのですが、
それでも二言三言、言葉を交わさせてもらった。
屈託ない笑顔を見させてもらって、若々しさがこっちまで伝わってきます。
「研修生」という立場での就労なので単身で働きに来ている。
まだ若く独身だというかれら。
「ニッポンの女性もきれいでしょう?」
と冗談めかして聞いてみた。当然だけれど
「キレイですね(笑)・・・」というような反応。
こういった立場の人たちは、家族を呼ぶことは出来ないとされます。

先日中国での「軸組構法」の建築への本格導入の動きを書きましたが、
とくに日本の建築にとって、この労働問題も含めた将来展望のなか
「国際化」は、避けては通れない問題になっていくでしょう。
中国では古来からの木造伝統建築へのリスペクトは大きいとされ
世界の中で唯一、この建築技術を遺し伝統化させてきた日本は
そういった文化的側面から注目が高まり、影響力を発揮しうる。
その技術を学ぶという中国・アジアからの需要も今後高まる可能性もある。
かれらアジアンたちは、日本語をなんとか話して
日本で働きたいと一生懸命だと感じます。
Facebookのシンガポール人スタッフの方も、IT技術+広告という
きわめて敏感なコミュニケーションの仕事領域ですが
なんとか日本語を使ってコミュニケーションを計ってくれる。
逆のことは、日本の若者にはあんまり考えられない。
世界的に資本主義が席巻する世紀になって、その市場が開放されていくのは
どうしても抗えない趨勢になっていく。

歴史的には日本社会というのはアジアからのエトランゼたちを
旺盛に受け入れ続けてきた時代を持っていると思います。
江戸期の鎖国から明治以降の「国民国家」形成期というのは、
むしろ日本史全体から見ればやや異形の時代だったように思える。
古代ではアジア世界からの移民をきわめて旺盛に受け入れ、
その「先進技術」を導入し続けてきた。
コメ文化の受容、漢字文化の学習、律令国家制度・仏教思想の導入など、
むしろこの列島社会はアジアのフロンティア地域だったのだろうと。
しかし現代は、そういう意味では逆転した立場での「国際化」なのでしょう。
この趨勢を受容しながら、どのように安定した社会環境を構築できるか、
不透明ですが、ニッポン社会が試されていくという予感があります。

【北海道には「梅雨」はないの、ホント?】


もうカレンダーは7月に入っているのですが、
北海道地方は6月からずっと雨模様の天気の日々が続いております。
忙しいのと、出張が重なっていることもありますが、
最近、さっぱり早朝の散歩に行けておりません。
これは朝、雨で天気が良くなく、行く気にならないのもある。
北海道には梅雨はない、と耳にたこができるくらいに聞かされてきましたが、
とくに今年は、異常に雨が多いと思います。
きのうなどは、いかにも「梅雨末期」みたいな豪雨が北海道を襲っていて
石狩川などで氾濫箇所がいくつか出ている。
土砂崩れなどの情報も各地からもたらされている。

公式的な梅雨はないけれど、エゾ梅雨というのはあるとされている。
公式というのは、いわゆる「梅雨前線」の活動によるということのようですが、
きょうの天気図を見ると、梅雨前線っぽいのが北海道に掛かっている。
で、下の写真はわが家の室内の温湿度計ですが、
湿度の方が60%を超えてきています。
札幌のこの時期6月の外気湿度は平均的には72%程度と
湿度は意外に低くなく東京より高いくらいです。
ただし、気温との相関での「不快指数」はまったく違いがある。
外気に対して室内は、家電や人体などの発熱でやや高温になることもあって
相対的に湿度は下がるのですが、4月頃には40%程度で推移していた。
わが家は3種換気なのですが、それでも連続運転はしている。
ここ数年の間、長期間ずっと開閉させなかった場所にしまっていた衣類の一部で
カビの被害があった。こういうのは27年間住んでいてこれまでなかった。
わが家の工事を依頼している吉田建産さんに聞いてみると、
多くのご家庭で、冬ではなく夏型の結露被害が広がっている実感ということ。
やはり北海道でも、外気の湿度環境が大きく変わってきているのではないか。
北海道の生活文化として洗濯物は室内乾燥が多いということも関係するかも。
そろそろ北海道でも、夏型の湿気対策が本格的に必要になってくるのではと
住宅建築でも対策が考えなければならないかも知れません。
それにしても、この上、台風が北海道を狙って日本海を北上してきている。
長雨で地盤が緩んだりしているところに台風だと、
被害が拡大する恐れもあろうかと思います。充分注意していたいですね。

ブログで長年情報発信をしてきていますが、
わたしとして気付かなかった、至らない点について知人から意見を承りました。
ありがたい気付きの機会を得られたこと、感謝したいと思います。

【木の外壁、常識破りの「横見」板張り】


いやぁ、いいとこまで行っていましたね、Wカップ・西野ジャパン!
世界3位の実力国ベルギーにあわや、というところまで行った。
わたしはサッカーはまったく門外漢ですが、
この西野さんという監督には、非常に「勝負師」を感じました。
メリハリがハッキリしていて、負けてもいい試合での批判された戦いぶりといい、
きょうの、ただただ挑戦あるのみという戦い方もありと、小気味よかった。
結果はいいところまで追い詰めたというものでしたが、
勝負に行っての敗退は戦略的で、むしろさわやかで勲章ものでは。
戦い方がニッポン人的で共感を持てた。
・・・まぁ、おかげさまで眠い目をこすりながらのブログであります(笑)。

きのうの「なにあれ」わざわざショップin北見の続篇であります。
わたし的に面白くて興味津々だったのが、この木の外壁の張り方。
ふつうは、横張りとか下見板張り〜ドイツ張りという張り方が一般的。
横張りは小口を見せず凸凹していない張り方。
下見板張りは、板を横に張って小口が下を向いて見える張り方。
こういう張り方が「伝統的」といえる張り方で、
雨が外壁を伝って下に落ちていくのを促進するような張り方です。
ドイツ張りという名前通り、まことに理に適った手法だと思います。
長期的安定性という意味ではまことに合理的。
また、視覚的にはリズミカルな「陰影」を外壁にもたらすので、
美観的にも大変優れている構法でしょう。
たぶん、世界標準に近い外壁デザイン手法だと思います。
これに対してこの北見の兼用住宅では、ふつうヨコ方向で重ねる木を
タテ方向にで重ね張りしていっているのですね。
重ねられた部分、木材の小口がタテにまっすぐに並べられている。
下見、に対して「横見」ではないかと名付けてみた。
こういうタテに張る場合は小口を突きつけて、平面的に張っていくのが一般的。
ちょうどヨコ張りをそのままタテにするのが一般的で平滑な壁面になる。
それに対してこの張り方、コロンブスの卵のような新発見感覚。
工法的に考えると、現代住宅ではこの表層の下で、
断熱層があり、その外側で「気密層」があって、この家ではプラスターボードが
さらに曲面に沿って張られているということでした。
そのボードの外側に外壁材を止める胴縁材があって、
この外壁が構成される。なので、胴縁部分が「通気層」になっているので、
万が一の雨水の侵入に対しても、保護バリアとして機能している。
という意味では外壁の木の張り方は自由度が高い。
で、こういった張り方をチャレンジしてみたということでしょう。
とくにR形状の外観デザインとの調和、シンボリックに浮き立たせるには
こういった「横見板張り」という作戦もありだなぁと。
タテの陰影感でR外壁のボリュームを際立たせる効果が高そう。さらに、
「これって、横殴りのブリザードが来たら、タテに雪が吹きだまって、
面白い造形を見せてくれかも知れないね(笑)」
「そうすると、小口を向ける方向が重要だろうね」
「卓越風方向に向けたら、そういう造形が得られるかも知れないね」
「でも卓越風方向だけに向けるのは、配置的には困難ですね」
「道路側に面したR部分での張り方方向が重要かも」
などといろいろなデザイン談義を、
五十嵐淳さん、見学に来ていた照井康穂さんと意見交換していました。
こういう「見たこともない」ことに挑戦するのは、
やはり建築人としての貴重なモチベーションだと思います。
そういうフロンティア精神があらたな可能性を建築に生み出していくのでしょうね。