本文へジャンプ

【沈黙が支配する空間を持つ日本社会】

写真は仙台市泉区の「柳澤寺」の山門見返し。
近隣でたいへん賑やかな空間を訪れた後、
無性に「静かさの支配する場所」への渇望が襲ってきて
神社か、仏閣か、と探すウチに出会ったお寺さんであります。
曹洞宗の寺院とかで、禅寺であります。
最近都市化が著しい泉パークタウンにほど近いけれど、
ごらんのような背景の緑もゆたかな環境の中にあって、
静寂が得られる空間が出現している。

JIAの10代目元会長・出江寛さんの講演を何回か聞く機会がありましたが、
氏から「沈黙が支配する」空間こそが日本文化の核心、
といったようなテーマのお話しが真骨頂のように感じていた。
沈黙は金、といった格言もありますが、
喧噪の巷から自我を取り戻すためのこういう空間を持っていること、
そしてそういう空間が集落なり、都市の中枢に
計画的に配置されているのが、日本社会の特徴である気がします。
東京の中心に皇居という森が広がっている社会をわたしたちは
ごく自然に受け入れてきているけれど、
このことの価値感とは、やはり「沈黙が支配する」空間性というものが
日本人的な心性に大きな共感を呼ぶ、ということを表していると思う。

沈黙にもさまざまな「表情」があり、
そういうことがらをデザインにまとめ上げるのが、
日本建築の重要なキーパーツなのでしょう。
この写真は山門全景から「切り取って」見た次第ですが、
写真画像の中から、沈黙が支配する要素だけにした、というところ。
自然の背景の中で、それと長い時間スパンで応答する装置としては
端正な柱・梁・屋根といった「結界装置」がふさわしい。
自然と対話する建築こそが、日本人の心性には似合っている。
どうも縄文くらいから由来する建築のこころの中核に
こういった精神が息づいているように感じられてならない。
・・・喧噪の「住宅展示場」から、無性にこういう空間に焦がれた次第。

【着々販売順調! 地域型住宅「南幌プロジェクト」】

一昨日、仙台で地域工務店グループの会合があって
「講演」の講師を依頼されまして、お話ししてきました。
全国各地にお伺いするケースが多いのですが、各地での地域工務店の動向について、
相互での「情報交流」という機会はそうないので、
いろいろに関わらせていただくケースをご紹介することがあります。
今回は、ちょうど全国からの見学者が相次いでいた北海道札幌市近郊の
南幌町での、北海道庁も関与した「南幌プロジェクト」についての
ご報告を中心にお話ししておりました。

2018年6月に5軒のオープンハウスが公開され
地域の工務店と建築家が協働して北海道が推進する「きた住まいる」の理念を
体現した住宅を多くのみなさんにご覧いただいてきました。
Replanとしても広報関係の総合的お手伝いをさせていただきました。
地域の「製造業」としての住宅建築のレベルを明瞭に示す機会だったと思います。
作り手のみなさんの情報交流の密度の高さ、協業の絆の強さ、
そして出来上がる住宅の品質・デザインのレベルの高さなど、
全国企業のハウスメーカー住宅展示場とは異質の「熱さ」がありました。
こうした「地域の家づくりパワー」について情報を各地に伝播させるのも、
わたしどもメディアの大きな役割ではないかと思った次第です。
Replanとしてはその誌面での表現、広報から、
販売に関わる広報宣伝、WEB利用でのマーケティング全般をお手伝いしました。
こうした過程で、雑誌表現とはいわゆる「ブランディング」がメインであり
ユーザーコミュニケーションの部分ではその「品質や深さ」に関わること。
そしてユーザーとのコミュニケーションではWEBでの「対話」を
さまざまに工夫していくという役割分担を実践することができました。
結果として、今回はいろいろな成果に結びついてきています。
販売ではすでに3棟が引き渡されていますし、
残りについても、具体的な展示場効果から別件の受注に結びついており、
中小零細企業ながら一般のみなさんへの
ブランドバリュー向上には大いに役立ったということができると思います。
また、これまで販売が停滞していた周辺の敷地の販売が活発化して
南幌町の地域の活性化に大いに貢献しているともいえるでしょう。

こうした実績は、全国各地の地域工務店にとって
大いに勇気づけられることなのではないかと思います。
全国大手による市場独占によって地域活力が失われていくのに対して
地域がどうやって中核的な製造業としての住宅産業を守っていけるか、
ランドマークの役割も果たせたのではないかと思います。
そうした北海道の経験をもっと多くの地域に伝えたい。
今後とも、こういった情報拡散の機会があればと願っています。

【働き方改革は「職人仕事」を消滅させるのか?】

・・・テーマのような論議があまりにもなさ過ぎるのではないか?
先日来、建築の仕事で長年働いてきたいろいろな方と会って話してきて、
日本の行く末を大きく懸念されている人が多い。
ある方は、ドイツの技術力の源泉としてのマイスター制度が健在であるのに
日本社会は、その技術力の源泉である「職人仕事へのリスペクト」を
いま、大きく毀損させることに狂奔しているとされていた。
日本が日本たる最大の源泉はこのことにあるのに、
それを「労働行政」という観点から一掃させようとしている、とされた。
ちょっと前まで「ゆとり教育」という官僚統制型の施策が行われ、
あっという間に揺り戻しにさらされた「制度いじり」があったけれど、
この「働き方改革」にも同じ雰囲気が漂っていると思わざるを得ない。
職人仕事の世界は、かれらから見れば非論理的な「探究」の世界であって
労働行政的には「根絶したい」ものと見えやすいのだろうと。
官僚的視点から見てたぶん、いちばん制御不能に見えるのは、
「職人仕事」なのだろうと思えます。

しかし逆に、職人仕事的に「働き方改革」を志向する、
っていうような逆転発想もあってしかるべきではないだろうか。
職人仕事というのは、資本主義的な「即・換金」思想ではない価値感。
ひとの役に立つモノづくりを真摯に探究する営為。
お金というのは、あくまでも結果評価の世界であって
職人仕事は、そういう金銭価値とは違う価値観で労力を使うもの。
よりよいものを作り出すには、一見ムダにしか思えない
そういった労働を積み重ねる中から生まれ出てくるもの。
人が人の仕事に深いリスペクトを感じるのはその部分の「磁力」が強い。
すぐれた職人仕事を深化させられる方向で「働き方」を見直してみる
そういった「働き方改革」という視点を社会は持てないだろうか?
いま、多くの人からそうした意見が湧き上がってきている。

きのうも、大工仕事で「技能オリンピック」に参加されて
みごと金メダルを獲得された方の話を聞く機会を得た。
かれは、企業勤務ではない独立的職人稼業だったのですが、
そのオリンピックに参加するための費用を考えれば
多額の負担の怖れもあって活動を当初は「辞退」されたそうです。
同じオリンピックに参加した同期の人たちは企業勤務者ばかりで、
かれらへは、そうした費用を企業が負担した。
しかし個人事業主の職人である彼には、そうした支援はなかった。
結局オリンピックに参加するための「渡航費」や参加中の総費用は
多くの人の善意のカンパによって成就したと言うこと。
技術は職人仕事という「探究」によって成立する世界だけれど、
日本社会では、個人事業主としての「職人」仕事というものが
今後とも成立していくのだろうか、と思わされた。

働き方改革について、いま職人仕事がどうしたら存続可能か、
真剣に論議し、逆に職人として働くことを社会全体がリスペクトする方向に
大転換させていくことは出来ないのだろうかと強く感じる。

【階間利用のエアコン暖冷房】


本日は再び、アース21総会での鎌田紀彦氏講演より。
先日書いたように、鎌田先生としては基礎断熱から
「温熱環境コントロール」すべき気積がより少ない「床断熱」を
志向していく考え方を発表されていました。
寒冷地として、必要な「暖房用エネルギー」の絶対量があるレベルで
不可欠である北海道のビルダーとしては、
エアコン1台での室内環境制御が長期にわたって担保可能かどうか、
なかなか声が出ない、というのが「場の雰囲気」であったとはいえます。
事例として出されていたのは、新潟のオーガニックスタジオさんの事例。

基礎断熱された床下空間に暖房装置を設置することで
冬期の室内環境を全室一体のものとして室温・環境制御することは
基本的に寒冷地住宅技術の骨格を形成してきた。
暖気は上昇するという基本の性向を活かすものなので、
直感的にも理解しやすかった。
その基礎断熱をキャンセルして1階床断熱で代替させると、
土間下空間が消失するので、これまでのような
チャンバー的な床下利用想定ができなくなる。
そこで同様の活用ができそうだと目をつけられたのが1−2階の「階間」。
ここに、できればダクト式エアコンを入れ込んで
上下階に加温、冷却空気を供給するという考え方。
説明書きにも書かれていますが、
「暖房時は1階天井のブースターファンを作動させる。
2階は自然ガラリで十分。冷房時には2階は床のブースターファンを
作動させ1階は自然ガラリを使う。」という作動設定。
施工上の注意ポイントとして
「冷房時、階間部の外壁での夏型結露を防ぐため、防湿シートの内側に
50mm程度の断熱材を施工する」とされていた。
ブースターファンというのは2枚目の図のような
ファン付き吹き出しガラリのことを指している。
鎌田先生からは、その使用感も良好だという発言がありました。
たぶん、北海道のビルダーでは使用実績が少ないでしょうから
「そうか」といった反応感がありました。

全体的な印象として、
暖房と冷房の必需期がほぼ半々というような気候常識を
前提とした機能選択という印象が強く、
北海道全域としてどうなのか、というのが率直な印象。
ただ、原理原則としては理解はできる、といったところでしょう。
このあたり、空調コントロールについては地域差があり、
全国一律的な対応ではなくなっていく感じがします。
住宅は考えれば考えるほど、その地域に根付くという印象が強まる。
設備設計、選択については地域分化が必然とも思われました。

【インテリア選択はその人の「暮らし方」表現】

きのうは鎌田紀彦先生の最新の住宅断熱手法について、でしたが
活発な意見交換が相次いで、わたしのブログ読者の傾向が明瞭でした(笑)。
どっちかといえば、住宅建築のプロのみなさんが中心。
なんですが、ユーザーのみなさんも同じ言語空間ではないけれど
「なんとなく」伝わってくるものを感じられるようです。
考えてみれば、わたし自身も自宅を建築した頃、
住宅雑誌はすでに発行していたのですが、まぁたしかに
「プロのひとたちが活発に意見を交わしている論点」というのは、
大きな「よりどころ」ではあったように思います。
ただしそこは「頼む立場」として、自分自身の感受性世界が判断の基本。
せっかくの自分が払っていくお金に関しての決定なので、
プロの先端的論戦を「わきまえた」上で、独自の判断をしたいと考えた。
結局は感受性の大きな選択のひとつとして、自分の世界を
一生に一度だけ、自分で選択できるのが住宅建築の機会だと思ったのですね。
当然だと思います。
そういった「技術論議」に参加したりして意見を戦わせるのは
建て主としての価値感とはまた違いがある。
そういうやり取りの中で、方向としての大きな技術傾向の中から、
自分に似合った感受性を探し出してみたくなる。
そういうときに「たくさんのイメージ」を見る,比較対照する、
っていうようなことは、無意識に行っていくものだと思います。
実際の空間を体験するということが基本ではあるけれど、
それには「もれなく営業行為がついてくる(笑)」のには閉口させられる。
ReplanやWEBマガジンなどで「よきものを見る目を養う」ことが不可欠。

住宅の実物を見る、というのがやはり基本でしょう。
わたしたちReplanでは、基本的にユーザー目線で住宅を伝えたいと
そう考えて誌面を構成しています。
実際の肌に伝わってくるような「空間の雰囲気」を表現したい。
作り手と施主さんの家づくりの対話の様子がいちばんのポイントだと。
で、インテリアを構成している要素の組み合わせ感覚、
そういった「よすが」から、作り手の感受性を見定めることが大切。
写真の住宅は岩手のビルダー、D-LIFEさんのオープンハウスから。
床壁天井とキッチン、さらにそこで選択されているテーブル・椅子
などの空間構成要素が一瞬にして伝わってきます。
この家は、施主さんが完成引き渡し前に公開を許諾した建物。
このような空間構成をある建て主とD-LIFEさんは
現実に打ち合わせしながら、実現させてきたワケです。
わたし的には、黒っぽいけれど木目も表現された床材・天井材と
キッチン・テーブルの色合いという背景のなかで、
いちばん人間の行動感覚に近しい「椅子」が目に付いた。
座卓面は透明な素材によるプラスチックなんですね。
それに対して、背景と連なっていく脚にはスチールが採用されている。
「そうか、こういう背景のなかでこのような意識で暮らしたいのだ」
っていうようなことが「伝わってくる」。
なんと呼ぶかは別として、現代の中でこういうふうに過ごしたいという
そういったホンネの欲求をそこに感じるのですね。
もちろん、そういう暮らし方がどのような「温熱環境」のなかで
実現しているのか、というのは要チェックの最たるものではある。
ただ、ユーザー側としてこういった「暮らしの感受性」について
多くの事例を体験しながら、きちんと自分を見つめることは重要ですね。
家の「見方」って、チョー重要だと最近強く気付かされる・・・。

【基礎断熱からハイブリッド床下断熱へ】


さて、最近もたくさんの「取材」をしてきていますが、
なかなかまとめる時間が取れない。
きょう取り上げるのは、先週水曜10日のアース21総会での
鎌田紀彦先生基調講演からの「基礎断熱から床下断熱への回帰」テーマ。
北海道では「暖かい家」への技術進化の過程で
床下断熱からほぼ常識のレベルで基礎断熱が一般化してきた。
「凍結深度」以下まで基礎を掘り下げる必要がある地域特性があって、
その基礎造作の「特殊性」に着目し、その基礎外周で
断熱材を張り付けてコンクリート打設を行えば、
その土地の「年平均気温」程度と言われる「土壌の熱」を取り込んで
いわば「土壌蓄熱」を利用できて、床下の湿度管理などの
木造住宅がかかえてきた問題点をもクリアできるということ。
人類伝統とも言える「竪穴」利用ともアナロジーできるので、
きわめて「安定的」と支持されてきたと言えるかも知れません。
こうした流れになって来たのには、それこそ新住協や鎌田先生自身も
それを大きく提唱してきた流れもあったと思います。
しかし、講演でも指摘されていましたが、
「地盤の熱容量が大きいため、家の中の室温と同程度の温度まで
平衡状態になるまでには、大きな熱量が必要になってしまう。
熱供給が行われなければ、土間表面温度は低下していく。」
「床下暖房していてもこの熱供給は不可欠。熱供給能力を大きく
キャンセルできる高性能住宅では、能力が小さくなってきている分、
暖房を停止するとうまくいかない」(以上要約)
というような問題意識に到達されている。

ということから床断熱の方がより合理的ではないかという流れ。
暖房空間の体積をより小さくできるので
暖房設備容量をさらに削減していくことが可能になるとされている。
しかし、一方で各種配管設備など床下の凍結対策は
寒冷地では絶対不可欠で、また気候変動の「極端化」が進行しているので
温暖地域でも万一の場合がありえる。
そこで水道配管などを収める「水回り」空間を一定の範囲内に収める
設計プラン上の工夫をした上で、その周辺区域だけを
「基礎断熱」として集中配置することで、その他の床断熱部分との、
いわばハイブリッドタイプの断熱を提唱されたのです。
こうした提唱はこれまでも鎌田先生からあったのですが、
今回札幌で棟晶さん建築の2.5×6間の「新住協モデル」で実験されています。

いまのところ、北海道では技術的にほぼ完成した基礎断熱採用が
はるかに優勢ですがコストダウン圧力が今後さらに高まっていって
暖房用熱量のさらなる削減が求められていく可能性が高い中、
こうした技術進化も求められてくるのではないかと思っています。

【サクラ前線と平行北上中 さざんかとの競演】

写真は福島県の高速東北道・吾妻SAで見掛けた豪華ツーショット。
あるようで、あんまり見掛けることがなかったので、思わず。
わたし的にはこの2つの樹種はゴールデンマスターでして、
どちらも北海道ではほとんど見ることができない品種かと。
さざんかは冬の時期に目を楽しませてくれる樹種として、かつ
排気ガスなどに強い樹種としてJH道路公団は高速道路街路樹として多用している。
一方の桜、たぶんヒカンなのか、ソメイヨシノなのか、
どちらもヤマザクラが主流の北海道では,目にすることが少ない。
住宅雑誌として、本州地域でも発行を初めて以来、
目にすることが多くなってきた樹種ですね。

とくに関西の知人から、「冬の北海道にはさざんかが咲き乱れていると思っていた」
という驚愕の言葉を聞いたことがあるのですが(笑)
冬の花として、本州の方には、さざんかは季節感の中心にあるようですね。
まぁもちろんですが、冬の北海道では植物の開花気温を上回ることはないので、
あるのは雪の見事な咲きっぷりくらいですね(笑)。
ことしはサクラ前線、やや早い感じなので北海道でも令和改元前にも
開花があるかも知れませんね。楽しみであります。
今回の出張ツアーでは社用車の点検の件もあって、
東北南北を縦断して、札幌まで長躯走ることになっております。
各地でのビジネス要件もあるので、あちこちを転々としながらですが。
起点は仙台ですが、いったん郡山まで南下した後、
山形を経由して青森まで一気に北上。
その後、フェリーに乗って北海道函館に渡って、札幌まで長距離移動。
まぁ慣れてはいますが、さすがに走行距離は1,000km近くになりそう。
こんなふうに目を休ませながら、宿泊も重ねつつ、
季節のなかを走っております。さて、きょうもがんばるぞ、っと。

【やはり店舗販売はPOPがキメ手】

きのうは高速道路を走りまくっておりました。
福島県での要件から山形という次第。
ということで、チョコチョコと高速PAで運転体力回復の休憩。
こういった機会では、店舗側からすると
いかに「疲れている客」の心理に即した「癒やし」を提供するか、だと。
それには主役はやっぱり食品系ということなる。
で、そういうものの仕入に工夫を凝らして頑張るのが基本でしょうが、
それをどう伝えるか、は相手が常に流動する人たち相手なので、
POPを通しての対話が基本になるのでしょうね。
わたし自身、こういったPOP広告には強い関心がある。
画像真ん中の「おしょうゆ」など、見たことも聞いたこともないのですが、
このシチュエーションで見ると、興味を惹かれる。

で、わたしはこの醬油だけパスして
ほかの2品は思わず購入してしまった(笑)。
いちばん惹かれたのが右側のヤツ。
ちょうど、東北の麺類、稲庭うどん、山形蕎麦、白石うーめんと
スタッフと、あれこれ話題にしていたところに持ってきて
今度は山形うどんかよ、それもねばりと腰を強調する作戦に
「それは試してみたい」という刹那心理が強まってしまった。
醬油はまぁ、たくさん在庫もあるし、ということでパスしてしまった。
高速PAでの消費では、あんまり家庭での「常備品」はどうなのかなぁ。
もうひとつの「空けたらもう手が止まらない」ヤツは、
疲れた心理に即応していて、伸びた手が止まらなかった(笑)。
クルマを運転していると、ついストレスの解消のために
こういった「手が伸びる」ヤツには弱くなるのでしょうね。
今回はワケあって、札幌までクルマで出張がてら帰る。
そういうことで、普段は絶対に荷物が増える買い物はしないのに
ついつい手を伸ばしてしまった次第です。
でも、POPの売り言葉、眺めるのは愉しい。
いろいろ勉強にもなりますね。

【IT活用が一般化 「敷地を読む」設計プロセス】

写真はある住宅プランでの「敷地環境分析図」。
住宅建築というのは有史以来、ずっと続けられてきた営為だと思いますが
イマドキはこういったGoogleマップをベースにして
周辺環境を大づかみに把握するということが共通認識化してきている。
生活実質としてはわたしが住宅を建てた28年前とは大きくは変わっていない。
食品を買い出すスーパーマーケットとか、
生活利便的な諸施設群というのはそう大きく変化はしないし、
学校などの公共サービス所在地やその機能なども変化はない。
しかし、そういった「環境認識」はいわば「体感」的に把握していたのが、
いまはこの写真のように「データ認識」的にとらえられる。
もちろん、通常生活的にはこういったデータを常に参照するわけではなく
「ほぼアバウト」な感覚世界で日常を過ごすことは変わりはないけれど。

しかしこういったデータが明快になる世界というのは
悪くはないし、より巨視的な把握に通じることが多いと思う。
なによりも客観的に、多くの人の「常識」が普遍化するのだろうと思う。
現代生活で言えば、歴史的に見ても「移動」の要素が大きくなって来ているので
その地域がどのような交通環境にあるのかが、明瞭になり、
また「利便性要因」にとって重視されてくるものかも知れない。
このマップは仙台市のある土地のことですが、
わたしの住んでいる札幌で言えば、大きな流れとして
千歳空港と札幌の間、というのがそういった流れから発展可能地域として
浮かび上がってくるように思われる。
これからの「土地選択」では、こういう「土地の読み方」というのも、
大きなファクターになってくる可能性がある。
こういった巨視的把握ということから、
先人の判断力というものが浮かび上がってきたりもする。
よく言われるように、鉄道の線路の位置取りというのは
相当に考えられた地盤判断の上に決定されているといわれる。
もっともムダがなく、そして安全限界をわきまえた選択が感じられると。
土地を読む巨視的な判断力に、こういう感覚を常に持っていることは
大きな助けになっていくと思われますね。

【鎌田紀彦氏、アース21で「和解」の講演】


きのうは札幌で地域工務店団体「アース21」の年次総会開催。
その「記念講演」に、新住協代表理事で室蘭工業大学名誉教授の
鎌田紀彦氏が登壇されていました。
これはアース21の会長である(株)キクザワ・菊澤社長の2年越しの
講演依頼に対して応えたもの。
アース21とは、北海道の高断熱高気密住宅革新の中核主体になった新住協が、
鎌田紀彦教授を中心にしてその研究を深めて行くに際して
さまざまな実験的な取り組みでその研究に全面的に協力し、
技術開発の最先端に立っていた工務店の中心的メンバーが設立した団体。
住宅性能技術だけではなく、地域工務店としての経営的な課題についても
相互に協力し合って、忌憚のない意見交換をする
そういう目的で、いわば新住協からスピンアウトして派生した工務店団体です。
その過程では鎌田教授とも話し合って、その趣旨に対して賛同を得、
双方で合意が形成されてスタートしたものでした。
しかしその後、アース21が独自に「住宅性能技術についても研究広報活動している」
といったような誤解が生まれ、残念ながら非協力的な期間が継続してきていました。
そういった誤解を払拭すべく、菊澤会長を初めとした関係の再構築努力が
継続してきて、今回記念講演を鎌田先生が受諾して実現したもの。
スタート時点の「住宅技術革新」の原点を再確認して
今後とも研究開発を進め、さらに普及啓蒙に協力してあたっていくことが、
きのうの鎌田先生の講演でも明確に発言されていました。

写真は、鎌田先生と談笑するアース21創設者の橋本政仁氏。
残念な関係が継続してきたことを忘れるように
ツーショットに収まっていただけました。
鎌田先生にも、本日このようにわたしのブログで紹介する旨の
了解もきちんといただいた上で、本日発表させていただくことにしました。

きのうの講演では、最新の研究段階の紹介があると同時に
高断熱高気密運動のスタートアップの昭和55年頃から平成初期の
初期10年間の状況について鎌田先生の方から、その核心的テーマについて
再確認の話題提供がありました。
北海道での住宅技術開発は、まさにイバラに満ちた道程。
暖かい家を願う多くの地域住宅ユーザーに応えようとする産学官連携があった。
ナミダタケ事件などの多くの困難を乗り越えてきたのは、
この初期10年間に集約的に、先生を中核にした研究と地域工務店の実験的建築が
相互に強い連帯・連携があったからこそ実現できたことだと。
さらにこうした努力開発の成果を「共有技術資産」として
オープンに社会に公開していった姿勢に大きな根拠が存在する。
同時代を協働的に過ごしてきた一員として、
今回の鎌田先生とアース21の「邂逅」には特別の感慨で立ち会っておりました。
謹んでこの事実を報告できることを幸せと考えております。