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花田家番屋

この建物の存在を知ってから、
もう20年近くになります。
この建物の調査活動から、再建復元工事の状況なども
北海道内の建築設計関係者などから
よく聞き知っていた建物です。
現在は国の重要文化財に指定されており、
お隣には、「道の駅・おびら」もそっくりな雰囲気で建てられています。

国の国宝とか、重要文化財っていうのは
創建時からの年代によって順番が決まっているのだそうで、
国宝になるには、最低で150年以上のものでないと指定されないそうです。
北海道には、そういうことで建築物の国宝は
まだ存在していません。
国宝は、縄文期の「中空土偶」だけなんですね。
建築物では、当然、赤煉瓦の北海道庁庁舎と、時計台の可能性は
高いものがあると思いますが、
わたしが死ぬまでに、指定されるかどうか、だろうと思います。
そういったなかでも、
この「花田家番屋」は、明治30年代というものですが、
北海道西部海岸地域のニシン漁を中心とする
漁業の最盛期を歴史的に証言する建築物として
そのスケールの大きさだけで考えても、きわめて一級の建築だと思います。
延べ床面積は、900平米を超える大型木造建築。
間口が40m近く、奥行き23m近くというスケール。
その空間を支えるのに、柱・梁が縦横に組み上げられている様は、
豪快な、明治の男たちの心意気を表現するかのようです。
まさに男性的な空間であって、
北海道らしい建築と言うことでは、木造では
時計台を超えて、ナンバーワンなのではないかと思っています。
久しぶりに見に行ったわけですが、
カメラを向け始めたら、
ここもいい、あそこもいい、っていうように
無限にアングルが出てきて、
飽きることがありません。
親方の空間の座敷部分もいいのですが、
やはり、ヤン衆のための大空間がまことにすばらしい。
所在地は留萌市から、海岸沿いに国道を北上すること30分ほどの
小平町ですが、
いつ見ても、その広大さに圧倒されます。
木造の札幌ドーム、っていったら大袈裟ですが、
この建物だけで、300人くらいの収容人員があったということなので、
桁外れの、大型建造物であったのです。
中にたたずんでいると、自然と視線は眼前の日本海に向かいます。
この大型建築から、海に立ち向かった男たちの思いが
感じられてくるような空間ですね。
機会があれば、ぜひごらんください。

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