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川越・蔵の街

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東京から江戸の時代の情緒というものが廃れて
一方で、それを維持し続けている街として、小江戸という呼ばれているのが
川越の街です。
街の成り立ちは、城下町ではあるけれど、
名前の由来通り、川の水運を利用した商業都市だったようです。
大消費地・江戸への物資の集散地として
ビジネス上の要衝地として栄えたと言うことだそうです。
商業資本も江戸の出先機関をそれぞれ置いて、
仕入・仕分けの機能を果たした都市だったのでしょう。
上方も含めた西方の各地から集められた物資が、
この街を経由して、江戸の流通システムに乗せられて
経済が回っていった、ということでしょう。
今日の街の機能としては、
そういった側面はまぁ、ほとんど廃れていって
残ったのは、商業資本の倉庫としての「蔵」の群れ。
江戸期から、戦前までのさまざまな建築のスタイルが
渾然一体となった、さながら生きたテーマパークの様相です。
わたしはディズニーランドは食わず嫌いなのですが、
たとえば京都の街や、各地に残る街路としての施設群って、
これ以上ないテーマパークだと思うのです。
そのうえ、歴史を知り、その時代時代のひとびとの息づかいの断片にも触れられる。
なにより、高額な入場料を支払う必要がない(笑)。
京都の街など、作り物のディズニーランドと比較のしようがない価値を持っています。
川越であります。
ついテーマをはずれてしまいそう(笑)。
江戸期から残る街並み、というテーマですが、
建築で言えば、漆喰と一部石造りと、
それに鉄板が被覆されるなど、江戸と戦前までの両方の意匠が見られます。
必然的に、太い輪郭線の感じがして、
ややゴツゴツとした質感が街全体を印象づけています。
京都の町家の木造の繊細さという感じとはだいぶ違いがある。
色合いも、京都の黒とは違う、より黒々としたたたずまい。
蔵の通りは、同時に主要道路になっているようで、
クルマの往来が大変に多い。
このあたり、江戸から戦前、そして現代と、
巧まずして、そのような歴史ワンダーランドになっているのかも知れない(笑)。
ヨーロッパであれば、すぐにでもこの通りは歩行者のみにするでしょうね。
でもそのように「保存」のみとして、
現代的な生活スタイルをできなくさせるというのも
いかにも生活感を喪失させるものと思うので、
賛否両論があるだろうと思われました。
以前から一度、行ってみたかった街ですが、
初めて行ってみて、予想以上に活気があって、楽しい街という印象を受けた次第です。
今度はもっとゆっくり、歩いてみたいなぁ、という気にさせられました。
北のくらしデザインセンター
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