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リフォームでの気密化工事

リフォームで一番大切なのは
住宅の住み心地に関する改修です。
住み心地といっても、言葉で言えばなんでも入りますが、
要するに、低コストで冬暖かく、夏は涼しい環境を維持できること。
このこと自体は、寒冷日本であれ、蒸暑日本であれ、
基本的にはユーザーの希望は同じだと思います。
そして、このことは住宅技術で言えば、
室内環境をコントロール出来るようにする、ということです。
そのもっとも大切なことは気密化工事の出来不出来でしょう。
断熱材の厚さや、その性能優位性をいくら謳っても、
その性能がきちんと発揮されるためには
気密化が基本的に出来ていなければ、意味がありません。
また、デザイン的にただ「見た目が気持ちいい」家でも、
冬にすきま風が入ってきたり、夏に耐えられない室内温度上昇があれば、
豊かな気持ちを持つことは出来ないでしょう。

そういう意味で、気密化は基本であり、
とくに北国のビルダーの優秀性はこの技術要素だと思うのです。
で、新築の方はマニュアルも揃い、
経験も豊かになってきているけれど、
やはりリフォームでは、既存状態との兼ね合いもあって、
「気密層を連続させる」という基本が、貫徹することが難しい。
手間と段取り仕事が大半であって、
工事としては、比較的単純とは言えるのですが、
あらかじめ理解していないと、ちぐはぐになり、結果を出せない。

写真は、リフォーム工事で1階と2階の間の外壁側外周に気密シートを
工事しているようすです。
一番基本的な部分なのですが、これをやるには
工程管理上の理解と段取りもきわめて重要だと思います。
この家では、この気密化工事に障害になりそうだった
外壁側に造作されていた書棚も別の場所に移設するなど、
設計的な配慮もされていました。
そうすることで、外周部を工事しやすい環境にして、
その上で、2階の床張りの外周側端部を切断して
気密シートの連続化工事の条件を確保しています。
写真のように、2階床面外周側で気密化工事を行うのです。
構造が取り合う部分などは、綿密にテーピングなどを行って
気密性能の向上をめざしています。
新築時の「先張りシート」を後から施工するようなものでしょうか。
この工事は、北海道R住宅基準に則った工事なので
仕上がりの気密性能で、相当隙間面積が2cm平米以内に納めなければならず、
なかなかこのレベルは既存改修ではむずかしいのです。

建物が出来上がってしまってからでは、
こういう部分は、ただの壁になってしまう部分なので、
建築の側では、いくらでも手抜きできてしまう部分。
まぁ、たとえば本州地域では
こういった工事に多くの工務店がきちんとした対応ができているかどうか、
やや心配な部分でもあるのですね。

北のくらしデザインセンター
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