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東大工学部という存在

きのうは、東大工学部にて対談企画取材。
この模様は、じっくりとあたためてから誌面にしていきたいと考えています。

しかし、お話しを伺いながら感じるのは
東大工学部というものが、どのような存在であるのか、ということ。
日本のエリートであり、建築について
その権力構造を形成しているそのものである、ということですね。
そして、日本の建築を作る、という強い使命感を持っている存在。
法律について、その整理統合リストラをすべきだとわたしは思うのですが、
建築と東大工学部との関係、
そして中央省庁、官の世界との関わりを知れば知るほど
道の険しさを強く感じる次第です。
とくに「建築構造」という世界では、
たいへんに難しい問題がそこに存在していると思われます。
木造の世界で言えば、金物で耐震性を高める
ということが、地震国としての日本の生命線のように言われていますが、
現状では、明示的になっている世界とはいい難い。
ところが、そうでありながら、
耐震等級2,ということが「義務づけられ」てきているのが
「長期優良住宅」の基本要件。
温暖地域では耐震性ということも、ユーザーの反応という意味では
気密断熱と同様以上に、きわめて心許ないのが実態のようですが、
百年住宅も出来ていない段階で、
いきなり2百年のスパンでの「耐震等級」を持ち出す不合理。
それも事実上、義務づけることの根拠があいまいなんだと思われます。
住宅は、100年以上持ち続ける事への
ユーザー側からのニーズは現状ではきわめて軟弱。
経済的根拠のあった、大農家住宅というような存在ではあり得るかも知れないが、
今日の変化の激しい経済構造の中では、
家族の継続性も含めて、そういう持続性には疑問の方が大きい。
であるのに、長期優良住宅では、枝葉末節の問題にばかり
「数値基準」が持ち出される。

こういった「基準」について、
それを「縦割り」的に、各項目について
いわば並列的に並べることで、
長期優良、という概念だとしているのが現状であり、
それに対して、いわばお墨付きを与える立場であるのが
東大工学部、という存在なのだと思えます。
建築には、構造もあれば、環境もあり、デザインもある。
歴史もあれば、産業論もある。
そして、国家建設という視覚が、その基本的なスタンスなのですね。
住宅というのは、そういう建築全般の中では
きわめて傍流的な分野であり、
まぁなかなか、中核的な問題領域とは見なされていない。
そのような位置感覚を確認できたという意味で、
まことにわかりやすい対談だったと思っています。

さて、たっぷりの宿題を与えられて
頭のなかは、はち切れそうになっている次第です(笑)。
そもそも東大の先生たちの世界の話なのに、
無謀にも、地方零細雑誌が取り組んでしまった、ということ。
これから、とりあえずまとめて、
どんな赤字が入ってくるものか、
頭のなかは、まさに爆発寸前であります。助けて欲しいです(笑)。

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