本文へジャンプ

【無筋ブロックという非常識・無常識】

大阪北部の地震被災から数日経過していますが、
小学校のブロックの塀が倒れて通学中だった4年生の女の子が
倒れてきたブロック塀に押しつぶされて死亡した事件。
いやはやなんともと、その杜撰さに驚いていたのですが、
きのうのニュース報道で、そもそもコンクリートブロックには鉄筋を
しっかり配筋しなければならないという常識が、実は社会一般で
普遍的にそうではなかったという事実を知って、さらに驚かされています。
当然のように危険性を指摘する意見を学校当局に伝える声があり、
その後、学校側は教育委員会に調査を依頼したとされた。
そして担当者は「目視と叩いてみて」安全と判断した、という驚くべき結果。

どうも、建築というモノへの最低限常識というものが、
社会一般には普通には育っていないのだと痛感させられました。
コンクリートブロックというのは一度でも見てみれば、
中空のものであり、その中空部分には強度を持たせるための鉄筋が通される。
そのために穴が空いているというのは、しかし常識ではなかった。
その上、そういう無常識なのに、高さを3m超まで立ち上げ、
ご丁寧に壁画絵画までデコレーションしていた。
デコレーション的に壁画を描くのは別に悪くはないけれど、
やはり管理者はまず第1に「安全」、とくに自らが管理すべき要諦はなにか、
という基本的な常識を磨くことを必須にして欲しい。
こういった「常識」で学校管理がされていた、ということに深く驚く。
素材としてのコンクリートブロックを愛する者としても、
こういう非常識の結果、死に至った子どもが出たと言うことに
なんともやるせない気がしてならない。

しかしこうした学校施設管理の非常識な実態が露わになったことは、
持って瞑すべき事態と言えると思います。
ただちにこうした可能性のある全国の同様ケースで点検が行われて欲しい。
テレビでの会見の模様を見ていると、
こういう無常識、非常識は社会に広く存在していると思える。
非常識・無常識は克服して、二度とこういう事態が起こらないように、
地震多発国家社会として、備えをしっかりしていくことが大切。
中国ではマンションで鉄筋不足で大量死者が出る事故があったのけれど
まさか日本でこんなケースがあろうとは思われなかった。
無常識のはざまで犠牲になった幼い命にご冥福を祈りたい。

コメントを投稿

「※誹謗中傷や、悪意のある書き込み、営利目的などのコメントを防ぐために、投稿された全てのコメントは一時的に保留されますのでご了承ください。」

You must be logged in to post a comment.