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住宅性能の表示努力

先日、EU圏内での「エネルギーパス」の表示ラベルのことを書きました。
あちらのほうでは、国が住宅建築で消費するエネルギー総量を表示させることを
義務づけし、ゼロエネルギーまで視野に入れて
国家としての枠で、そういう意識教育に取り組んでいます。
それに対して、日本では個別的な
たとえば自立循環型建築についてのCASBEE評価などがありますが、
国の側でのプッシュがイマイチなということからか、
どうにもわかりにくくて、浸透しているとは言い難い。

そういうなかで、住宅雑誌として、
住宅の断熱や気密、CO2削減の表記として、
写真のような表記をしていこうと考えています。
とりあえず、3月17日に全国発売開始の
「エコ住宅Q1.0_2010年版」の誌面で、こういう表記を始めたいと思っています。
エネルギーパスで、すべてのエネルギーを表示するのとは
だいぶ、差があるのは否めないのですが、
しかし、住宅分野での省エネルギー、省CO2という取り組みを考えれば
こういう地道な表現浸透努力が必要と考えるわけです。
もちろん、国レベルでの取り組みではないので
わかりやすさは望むべくもないのが現実なのですが・・・。
EU圏ではどんな建築物にもこのような表示ラベルが掲示を義務づけられているそうで
ずっと前に建築された建物でも公衆にわかるように見せられているのだとか。
森みわさんの講演では、ドイツの空港施設のそれが紹介されていまして、
相当以前の建築なので、エネルギーパスで見たら、
とんでもない劣悪施設、ということなんだそうです。
このあたり、日本で導入するのがむずかしいポイントであるかも知れませんね。
いい性能のものはいいけれど、そうでないものについて
どのように「配慮」するかが、延々と論議されて
結局、玉虫色なんだかどうなんだか、っていうような
意味不明の代物になるのが、まぁ一般的というところでしょうか。

表記したこれらの数値は設計プロセスで使用する
「QPEX」という熱計算ソフトから導き出されるモノです。
次世代省エネ基準相当の建物と比較したときのレベルでの
相対比較を試みているモノなのです。
日本では、平成11年に定められた次世代省エネ基準すら
義務化されていないのが現実。
建物の断熱気密性能の向上よりも、エコキュートやヒートポンプでの
省CO2が優先されているのが、この国の方向性なのです。
まぁ、そういうなかでは、こんな表現がどれほどの意味合いがあるかどうか、
だとは思っているのですが、
何らかの意味合いはあるのではないかと思っている次第であります。

北のくらしデザインセンター
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