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民族の華

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写真は東京国立博物館で展示されている銅鐸です。
国の宝物、歴史を経てきた「国華」に、ここにいけば会えるのですね。
それこそ、土偶から始まってこの銅鐸など、ずっと考古年代まで含めた
日本民族の宝物ばかりで、しかも常設展示していて、
一部を除いては写真撮影も可能。
歴史を経てきているものなので、確かに著作権の概念は消えているでしょうが、
やはりこのように自由に撮影もできる環境にしているのは、いいことです。
この銅鐸ですが、
建築家の斉藤裕さんが「黄金の塵」という講演で紹介していましたが、
日本的なもの作りの黄金律がすでに実現している、
と、驚きを込めて解説されていました。
どの角度からみても、非常にバランスのとれたデザインであり、
美の完成形態に近いかたちである、とされていたのですね。
デザインというものを極限的に考えている建築家として著名な
斉藤さんの言葉で、あらためて目を開かせられた思いがしたものでした。
で、やはりどんなものでもそうですが、
「本物をみる」というのは貴重な体験ですね。
今回も上野の博物館、みてきたのですが、
いろいろな日本の歴史的作家たちの作品になまで触れることができます。
って、触れる訳ではないので(笑)、誤解のないように。
たとえば歌麿の浮世絵の実物なんかを克明にみることができる。
浮世絵は版画なので、本物、というのは難しいところですが、
やはり当時の技法、仕上げ方で仕上げた本物だけが持つ質感は
実際にみてみないと、伝わってこない。
何度も写真では目にしている作品でも、全然違って見えるというか、
空気感のようなものまで含めて、一種の体験なんですね。
作品が印刷された紙の質感、顔料の雰囲気、そこに展開している
線画や、色彩の雰囲気などなど、
一気に、歌麿という人間の息づかいや、
その作品を作り上げてきた多くの職人たちの仕事も含めて伝わってきますね。
本当にすばらしいと感激いたします。
美術の世界って、
最近、こういう展覧会の枠がどんどん広がってきていて、
日本の美術やもの作りをまっとうに評価してきていて
ひたすら欧米崇拝的であった近代主義から脱却できてきていると感じます。
確かに西欧近代のすばらしさは否定する必要はないけれど、
やはり私たちの感受性に、より親しい日本の造形美術の華に
正当な評価をもたらしていくことは必要だと思います。
国際化する時代だからこそ、
こういう民族的アイデンティティに注目が集まるのでしょうね。
いま開かれている、「対決シリーズ」は好評で、
けっこうな人出がありましたが、みて損はない展示ですね。
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