
きょうのウォールストリートジャーナル日本版に
「中国、一般市民の懸念は官僚腐敗と大気汚染」という
そうだ、こんな記事が読みたかった、という調査記事があった。
この記事は、ワシントンの調査機関ピュー・リサーチ・センターが
24日に発表した調査結果の概要を伝えるものだった。
折から中国の習近平首席が訪米して、オバマ大統領と会談する
その前段としての調査報道だけれど、
まことに的確な報道主旨だと、まずはそこに感心した。
会談する相手国家の人々が、どんなことを考えているのかという
きわめて当然に持つべき冷静な調査報道を行っていることに
メディアとしての成熟した姿勢を感じさせられる。
ひるがえって、わが国では、安保法制論議の間、
冷静な国際環境分析などへの興味関心を示してきたメディアは少なかった。
本来であれば、国益と国防の重なる中国の真実を
しっかりと実像として読者、国民に知らせるべき役割こそが
メディアには求められていると思う。
相手が、とくに共産党独裁で民意が測りにくい国家だけれど、
しかしその国の為政者にとってもっとも細心に配慮しているに違いない
中国国民が、いったいどのような「意識」を実際に持っているか、
こういう地道な報道姿勢は、まことに信頼に値するし、貴重だ。
たしかにこの調査自体は、アメリカのさまざまなシンクタンクのひとつが
ある目的を持って行ったことは明白だとは思うけれど、
メディアとして、そうした動きをしっかりチェックしていること、
それが、国益国防にとっても最重要であるという判断力のレベルは、
やはりアメリカの底の厚みを感じさせてくれた。
それに対して、日本の大メディアたちは、
むしろ、感情論丸出しでレッテル貼りに狂奔していたメディアが多かった。
インターネットの時代に対応するのに、、日本のメディアは
自社の「主張」としてのプロパガンダに傾きつつあるけれど、
基本的に、冷静な調査報道、事実の解析こそが不可欠だ。
先の日米戦争開戦時に、アメリカは日本人の心の構造にまで
調査を進めて、「菊と刀」という本が著されたりしていたけれど、
対して日本の朝日新聞は、その時点の民衆の情緒プロパガンダに流れ、
国家破綻の方向での報道に邁進していた。
今回の安保法制の局面で、同じように冷静さのない、
国益にとって損害でしかない報道態度を取り続けたことは
まことに残念でならない。
横道に入りすぎてしまったけれど、
いまの中国人の、共産党政権の桎梏の中からのホンネの
ほんの一端、それも共産党支配構造でも容認可能レベルの情報だけれど、
やはり「民の声」は、重く受け止められるものだと思います。
なにより、その国の民のいちばんの懸念が「官僚の腐敗」である、という国家と、
われわれは、否応なく至近距離で向き合っている現実から
片時も目を離すことなど不可能なのだと思う。
そしてそういう国との関係において、イデオロギーではなく、
冷徹なパワーバランス問題としての安全保障論議を、
健全な国内世論として喚起していかなければならないのだと思います。
その声の数字と内容をじっくりと見ていました。
Posted on 9月 26th, 2015 by 三木 奎吾
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ことしこれまで読み続けてきた本のなかでいちばん衝撃的だったのは
やはり、「人類史の中の定住革命」という1冊でした。
どうしてもわれわれ現生人類は、農耕社会成立以降の
ものの開発過程という表面的なものに目が向きがちですが、
この本では、わたしたち人類が獲得してきた意識の古層を
それ自体を「進化」としてとらえて、解析する目を与えてくれました。
脊椎動物の進化に於いて「口型」「手型」の分類など、
あまりにも当たり前すぎて、普段は絶対に気づきもしないことが、
実は「進化」にとっては、きわめてエポックメーキングな「出来事」だった、
という視点など、まったく衝撃そのものでした。
そういう進化に、わたしたちは巨大な時間をかけてきたのでしょう。
その読後以降、やはり視点に於いて、
そういった巨視的な部分から演繹してくるように心がけるようになりました。
最近、そういう視点での気づきがあったのが、
アイヌ研究の瀬川さんの本を読んでいて、
旭川アイヌ社会の人々との交友関係の様子について触れた箇所。
まるで親族のような「濃密なコミュニティ」の様子が語られていた。
そのことが、人類学での「なぜ、言葉が生まれたか」という問いでの
「相互の緊張緩和」にその根拠を求めた部分と、ピッタリと重なって
この「濃密なコミュニティ」というものが、
このことの現代にまで残されてきている人類的痕跡ではないかと
そんな思いに駆られた次第です。
現代人に於いては、この「濃密なコミュニティ」というものは、
だんだんと忘却されつつある人間関係ではないかと思います。
わたしの親たちの世代についてみてみると、
このような「濃密なコミュニティ」に、かなり依拠しながら生きていた。
北海道に移住者として渡ってきた祖父の世代では、
郷里を同じくする人間関係に依存して、居住箇所を定め、
生きていく手段も、さまざまな依存関係において選択されてきた。
つい数十年前までは、そういったウェットな社会関係が一般的であったのに、
いまはそうした関係性よりも、もっとドライな資本主義的というか、
「濃密なコミュニティ」とは違う、いわば「無縁」社会が広がっている。
血族あるいは、地縁というような関係性がはるかに後退し、
そのすき間を、公共であるとかの「無縁社会」が、
制度として埋めようとしてきている社会にわたしたちは生きている。
もうすぐすると、「濃密なコミュニティ」という実体が、
忘却されていくことも、予測していなければならないのかも知れない。
社会というものへの、冷徹な分析眼を持たねばならないと、
そんなふうに思っているところです。
この流れは、とめどなく続いていくのでしょうか?
Posted on 9月 25th, 2015 by 三木 奎吾
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さて、シルバーウィークも終わって、ことしもラストランに近づきますね。
いろいろ出張や、仕事の追い込み、講演依頼など
引き続きますが、淡々と対処していきたいと思います。
本日は、住宅とは切っても切れない関係の装置としての台所。
本州地域とはやや遅れて、北海道では7世紀くらいから
住宅に「かまど」が据え付けられるようになるとされています。
で、不勉強で「かまど」のことをあんまり知らなかったので、
以下に、Wikipediaの記述を一部修正しながら、要旨抜粋引用。
〜6世紀以降には竪穴式住居の北側や東側の壁面に設けられる
「カマド」がつくられるようになり、その構造は粘土をドーム状にもりあげ、
住居の内側に焚き口、「カマド」の天井部に煮沸具である土器に、
はめ込むようにして置かれる形になっている。
「カマド」の「ソデ」と呼ばれる部分には、石などが用いられ、
「カマド」中央部に置かれた土器をささえるための
支脚にも粘土質のものや長い形の石が用いられた。
奈良時代、平安時代には全国的に普及したかまどには、
屋外へ煙を排出するための煙道が発達していた。
しかし庶民の住居が竪穴式住居から
掘立柱建物に移行するにしたがい、煙道が失われた。
かまどは焚き口と鍋釜をしかける穴のみが設けられた構造となり、
薪の燃焼で生じた煙は焚口から屋内に排出され、
屋根裏を通って屋根に設けられた「煙出し」の穴から
屋外に吐き出されるようになった。
高温多湿な気候の日本において家屋を腐朽やシロアリから守るには、
かまどから屋内に煙を吐き出させ、屋根材や家屋を
「燻製」にして防腐効果を狙う必要があったためである。〜引用終わり。
というような記述がありました。
北海道では一部違いがあったとされ、蒸し器である甑などが
本州地区では使われたのに、北海道の「檫文時代人」たちは、
蒸すことはせず、ひたすら煮る調理を行ったとされている。
また、この記述では煙は室内に充満させて
シロアリ被害から建築建材を守る、燻しの効果を狙っていたとされますが、
ほとんどそういうシロアリ被害対策の必要が無かった北海道では、
煙は外部に排出される工夫が見られたようです。
粘土を盛り上げてかまどを作ると同時に、
石を組み合わせながら「煙道」を構造造作して、その表皮に
粘土を塗って仕上げたモノだと思います。

こんなふうに外部に煙道を出していたようです。
檫文の時代が終わって、アイヌ文化の時代には、
本州地域と同様に、住宅は竪穴から平地住居になっていきますが、
本州地区の「蒸す」食文化を持たないアイヌ文化では、
基本の食生活道具として、鉄鍋が本州社会から輸入されて、
伝統的な直火で「焼く」調理と、この鉄鍋を自在鉤で降ろして
囲炉裏ですべての調理・食空間とする食文化に移行します。
この辺のアイヌ食文化の住宅装置選択移行に、強く興味を持っています。
というのは、現代の北海道住宅の特異な暖房装置として
「パッシブ換気」システムというのがあり、
それは新鮮外気を、断熱され加温装置も置かれた床下ピット空間に導入し、
そこから室内に熱をゆったりと充満させて、
汚染された空気を最終的に最上部から屋外に排出させる、
換気とも暖房とも言い切れないシステムの考え方があって、
その原理と、この時代の「かまど」の煙道装置が似通っていると
そういう印象を持ち続けているからなのです。
現代では、空気の通り道は安価な樹脂パイプが使用されるのですが、
この時代では、石や粘土を複雑に使って手作りしている。
さらに囲炉裏は、食空間でもあったことで通年焚かれていて
それもまた、「土壌蓄熱」装置として暖房利用されてきてもいた。
こういう古代人の暮らしの合理的な知恵に、
すっかり脱帽させられるものがあると思えてならないのです。
Posted on 9月 24th, 2015 by 三木 奎吾
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今回、シルバーウィークを利用して
道東の中標津を起点にして、「環根室海峡地域」を
標津、野付半島〜知床と周遊してみた次第です。
日本全体で見ると「東の境界地域」というようになると思います。
長く日本史では、関東の東の先っぽを、日本の東端とみなして、
そこに鹿島神宮を建てて、尊崇してきた歴史だと思います。
鹿島神宮には、大太刀がありますが、
それは東夷を斬り従えるという意味合いがあることが明瞭で、
その所在地の先は、国外であるという認識があったことと思います。
征夷大将軍という国家の一将軍号が、実権の所在に変化していく
そういう大きなテーマで日本政治史は動いてきたといえる。
はるかに時を経て、日本海交易という物流システムが
日本の経済活動においてきわめて重要な位置を占めるようになり、
その活況の時代を切り開いた高田屋嘉兵衛さんによって
この海域の漁業資源開発が進められたような歴史がある。
そしていま、先の戦争の結果として、
国後島から東側はロシアの実効支配下にある。
晴天にこの海域を見晴らせば、豊かな生態系を育む、
列島社会にとっても有数の豊かな海域であることが見て取れる。
安倍政権は、ロシアのプーチン大統領とは
話し合いの糸口は摑んでいるように見える。
黒海周辺での領土紛争によって、
西側陣営はロシアを封じ込める外交攻勢をかけ
その一員として、日本もやむなく対ロ制裁を加えている。
安保法制の完了を踏まえて、対ロ外交はさっそく口火を切った。
ロシア側は、口頭では領土問題は話し合っていない、としているけれど、
岸田外相に対する対応は、想定の範囲内でかなり良好だと思う。
漁業資源に対する対日制裁的なロシアの動きも、
日ロ外交のいろいろなカードを持つという、そうした外交手段のように見える。
いったんは、プーチンの来日という外交約束はできていたので、
現実的な双方で受け入れ可能な了解点は、見えているのだと思う。
日ロ関係でもっともセンシティブな要素であるアメリカとの関係で
日本の安保法制整備完了は、ある種のフリーハンドを
安倍政権は手にしたといえる。
このタイミングでなら、対ロ融和的な動きを日本が示したとしても、
アメリカは柔軟姿勢を取れると日ロ首脳は見切っているのではないか。
高田屋嘉兵衛さんも、江戸末期、身を捨てる覚悟で民間人として
困難な日ロ外交交渉を成し遂げた。
対ロ関係ばかりではなく、
安保法制整備によって、日本はかなり「自主的」な外交戦略を
展開できる可能性が生まれてきたのではないかと期待しています。
この根室海峡地域が、大きく発展していく根拠が、
日ロ交渉によって、前進していくことを期待したい。
日本として、というより北海道人として
この豊かな海域を十分に開発させる経済発展の可能性を
大いに期待して見守っていきたいと考えています。
<下の写真は羅臼から国後島を望む>
Posted on 9月 23rd, 2015 by 三木 奎吾
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前日の野付半島に引き続いて、知床に行ってきました。
北海道にいると、札幌からは遠いこともあって、あんまり訪れない。
2〜3度、来たことがあるくらいであります。
最近はどこのビジターセンターも情報が充実していて、
とくに動画情報はわかりやすく、楽しませていただいています。
きのうの知床でも、羅臼からウトロに半島を縦走する国道沿いにある
知床ビジターセンターの動画は、たいへん美しくよかった。
間欠泉は、残念ながら「たったいま、終わったわ(笑)」ということでした。
あちこちのスポットはたいへんな賑わいで、
ここは首都圏のどこかの観光地かと思わされるほど。
やはりシルバーウィークの威力は凄まじいですね。
っていうような楽しい行楽だったのですが、
そのついでに立ち寄った「熊ノ湯」。
無料で露天風呂に入れるという温泉なので、
つい、入って見ることにしました。こういうのには、どうしても弱い。
まぁ常識で考えて、どうして無料なのかと推し量るべきだった・・・。
でも無料で、衛生管理とか誰がやっているのだろうと、
そういった意味でも不安感はあったのですが、
道南の椴法華・水無海浜温泉や、青森と秋田の中間の海岸に湧く温泉にも
入ったこともあります。まぁ、物珍しでの入浴ですね。
椴法華ではみんなのマナーで維持されている。そういう経験もあって、
惹かれるままに、裸になって、体を洗ってから入ろうとしたら、
「おい、頭からかけ湯して入れ! 熱いんだぞ」と
アタマからケンカ腰の声を掛けてくるひとがいました。
「???」とは思ったのですが、言い方にはトゲがあるにせよ
言っている中身自体はこっちへの配慮のようでもあるので
「・・・ありがとうございます。では・・・」ということで
頭からかけ湯して、その熱さを体験してから入浴しました。
たしかに耐えるのがやや辛いような熱さではあって、
そんなに長時間、入っていたくなる湯でもない。
なんですが、わたしも修行の足りない身なので、
「口論したりすれば、他のひとに迷惑かけるから」と
ガマンして聞いていた部分が、湯の中で、腹の中から立ち上ってくる。
それもあり熱すぎるのもあって、早々に湯を出ましたが、
その背中で、ひそかな笑いが聞こえる。
まさかと思いましたが、わたしのカラダが火照っている様を・・・
え、身も知らない人間のことを? という驚きですが、
まぁ、他の方の気分を害しても仕方ないとあきらめ、
しかし一刻も早く立ち去りたいと、イヤな気分で、風呂を出た次第。
どうも、あとでインターネットで調べたら、
そういうオヤジさんたちがいるのだそうです。
まぁ、この湯を維持し続けている地元のみなさんの中のひとりでしょうか。
無料でも、土地と泉源自体はだれかの所有かも知れず、
また、維持管理する手間は誰かがやっているのは
理解出来るし、その気持ちも推量はききます。
しかし、いきなり上から目線の態度というのも、常識理解を超える。
こういう事を知った上で、この無料の風呂に
もう一回、入りに行くかどうか、その辺はきわめて微妙(笑)。
でも考えてみたら、そのオヤジさん、
ずっとシャンプーやボディシャンプーを使い続けていた。
露天風呂で、そういう雑排水はどういうふうに処理しているのか、
やはり管理は、きちんと決めたほうがいいのかもしれませんね。
土地と温泉の権利を持っていて、
しかし、有料にすると各種法令を守らなければならず、
そこまでする気もないから、くやしいけど無料開放にしている。
その鬱屈を、無料で入ってくるひとに八つ当たりでもしているのか?
どうもいろいろな想像を巡らせてしまった次第であります。
まぁたわいのないことではありますが、
こういう部分は、知床の来訪者に強烈な印象を与えてもしまうでしょうね。
北海道の人間として、やや残念な気分になった次第であります。
知床なので、クマと共存するというような態度は不可欠。
そういった理不尽さをひとに教えるような存在なのか、
それはそれで、ある種、必要があるものかも知れないと思い至りました。
Posted on 9月 22nd, 2015 by 三木 奎吾
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みなさんシルバーウィークいかがお過ごしでしょうか?
わたしは、カミさんとクルマで足を伸ばして道東へ。
一気に根室半島と知床半島にはさまれた野付半島まで。
ちょうどエビがカラダを丸めているような
形状の半島で、日本最大の砂嘴(さし)なんだそうです。

ということで、前に道東を走ったときには、
「あそこまで行っていたら、時間が足りなくなるよね」
ということで、先っぽの方まで行くのは断念していた場所。
今回は、時間にゆとりのあるシルバーウィークということで、
走ってみた次第であります。
天気もこっちの方に来るほど回復してくれて
雄渾な雲と青空というダイナミックな構成で楽しませてくれます。
やはり道東の魅力は、シンプルな天地のおおらかさ。
単純に雲のうつろいや形状の変化に驚くみたいな部分。
で、道路もどんどん走って行くと左右に海が見えるという
「海の中道」状態が眼前に展開致します。
で、ネイチャーセンターをさらに奥に走ったのですが、
いわゆる半島本体部に差し掛かるあたりからは
一般は通行できなくなっています。
ラムサール条約での自然保護という観点からの処置なのかなぁ。
で、ネイチャーセンターに戻って、ひと休みした後、
今度は、砂嘴の先端部分の「トドワラ」に向かって徒歩での散策。
往復にはたっぷり1時間はかかりますが、
その上、絶景が広がっていて、いくらいても楽しい。
広大な海の中のプールの中を歩いて行くようです。
広い天地にのんびりと癒されます。
そこからの帰り道、途中には野生のシカさんたちが草を食んでいる。
あんまり人間から危害を加えられることがなく、
またエサを与えるようなひとも少ないからなのか、
こっちを警戒する風もなく、また媚びるようでもなく、
ごく自然な様子で、周辺の植物をゆったりと食み続けておりました。
よく、野生動物との共有の時間は、
なにか、生き物としての原初的な脳の部分が働いて、
人間の意識を支配してくれるので、無上に癒されると聞きます。
時間的には10分程度の遭遇なのでしょうが、
そんなことを想起させてくれる時間を過ごすことができました。
シカさんたち、ありがとう。
Posted on 9月 21st, 2015 by 三木 奎吾
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札幌の「真駒内霊園」というと、
札幌に住んでいる人にとっては、まことに微妙なイメージの場所。
なぜか、入り口近くにはモアイ像が林立していたり、
石造りのシカがそこにミスマッチにたたずんでいたりする。
どうも奈良の大仏のパクリで、シカも動員されたものと推測できる。
そういうなんでもありの混沌状況がキッチュで楽しいとも言えるのですが、
まぁ、なんとも微妙な、というのが偽らざる心境。
そもそも霊園墓地で、そういったキッチュさは必要なのか、
人類の定住が始まってから15,000年として、たぶん墓地というのは
それと同じか以上くらいの歳月、人類の歩みとともに存在してきたと思う。
死者への敬意は人類とともに存続し続けるものと思うけれど、
どう考えても、自然や物質に戻るのがイキモノとしての輪廻。
そういう悠久性で考えると、あまり仰々しくしたくはないのではないかと。
わたしとしては、ここに墓地を求めたいかと言われれば、避けたい気持ちも強い(笑)。
ただ、そういう墓地に商業主義がありうるのも現代資本主義社会。
話題を提供してという、売らんが為の作為が働くのも、理解出来る。
そういった雑感を抱く施設に、
これまで普通に建てられていた大仏があって、
その再活用を、墓園管理の企業から依頼を受けて、
そこにこれでもかの、安藤忠雄作品が「頭を出しつつ」ある。
<画像は、周辺に建てられている看板その他を撮影したものです>
安藤さんの札幌での講演会で、この「作品」のことを聞いて
一度は見てみたいと思っていたのですが、きのう、近隣に要件があって
訪問することが出来ました。
その制作意図はまことにわかりやすく、
プレゼンテーション・表現能力については、まことに強いメッセージ。
キッチュに建てられ、素裸にさらされていた大仏を
周辺から土を盛り上げて、頭部だけ残して埋めてしまう。
しかし、大仏の仏体自体には土は被覆させずに、
盛り土小山にトンネルを掘って、中心部に端座する大仏に向かって、
その明るさに向かって、人々を歩ませていく。
やがて徐々に高まる予感の末に、
いきなり明るい空間の中で、この神々しい大仏を仰ぎ見させる。
その劇的な体験感を味わわせようという、建築者としての構想力はすごい。
こういう回遊性と、出会いの衝撃性の演出は、茶室などに
一般的に使われ続けてきた技法だろうし、
人類社会に普遍的だったのではないかと思います。
たぶん、歴史的に「宗教施設」に対して建築がリクエストされてきたことが、
こういうわかりやすさであったであろうことも、想像するに難くない。
さてこの施設・頭大仏は、間違いなく
札幌の新名所になっていくことだろうと思います。
たしかにメッチャ面白い、しかし・・・。
この頭大仏が、はたしてどんな評価になっていくのか、
わたしとしては、むしろ、そのことの方に興味が湧いてきています。
Posted on 9月 20th, 2015 by 三木 奎吾
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さて、わたしどもでは住宅ユーザー向けの住宅雑誌を発行していますが
そういった活動の中で、地域工務店という、いわば地域に根付いた製造業の
価値というものの大きさに気付かされ続けています。
住宅という「ものづくり」が、地域社会を形成する基本であり、
その活力の維持は、地域の力そのものだと思っています。
ただ、その工務店は圧倒的大多数が零細な規模の事業体です。
地域の製造業の核心であるにもかかわらず、
経営の側面から見れば、情報の交流機会すらも少ない企業が多い。
多くが孤立した経営環境の中で、中小零細企業としての悩みや、
経営の支援情報の圧倒的不足にさらされている現実があります。
そういった状況を踏まえ、わたしどもでは、地域工務店の経営の存続は、
同時にある意味での公共財として、地域のものづくりの力の基本であると考え、
地域間での「情報交流」の機会を創出していくことを目的に
今回から、初めての試みとして、工務店経営セミナーを開催することにしました。
以下、案内資料からの要旨抜粋です。
ぜひ、興味をお持ちの工務店のみなさんの参加をお待ちしています。
“選ばれる”は、つくれる。 成功する地域工務店の秘密
地域に根ざした工務店だからこそできる価値の創造とは何か?
地元で高い人気を誇り、愛され続けているビルダーをお招きして、
その「人気と成功の秘密」を商品・サービス・人・イメージという
4つのテーマを基に解き明かし、これからの家づくりに活かしてい
ただくセミナー及び情報交換会を開催致します。
◯日時 2015年 9月29日(火)
セミナー 13:30〜16:00 (START14:00 〜)
情報交換会 16:30〜18:30
○場所 ラ・プラス青い森
青森県青森市中央1-11-18 TEL:017-734-4371
○対象 青森県内ビルダー様 20社限定
○セミナー内容 『“選ばれる”は、つくれる。 成功する地域工務店の秘密』
1.商品力:技術とデザイン
2.サービス:家ではなく、暮らしを創造する
3.人:顧客満足度をあげる方法
4.イメージ:地域工務店のブランディングとは
パネリスト
(株)アーニストホーム(函館) 取締役副社長 新田眞幸 様
(株)三五工務店(札幌) 代表取締役社長 田中寿広 様
コーディネーター
住宅雑誌Replan編集長 三木 奎吾
○情報交換会 セミナー後、立食形式による情報交換会を開催
○募集人数 1社2名以内 最大40名まで
*定員になり次第締め切らせていただきます。
○参加費
セミナー+情報交換会 1人 5.000円(税込み)
セミナーのみ1人 1.000円(税込み) *当日、会場にてお支払い下さい。
◯パネリストのご紹介
★株式会社 アーニストホーム(函館)取締役副社長 新田 眞幸 様
http://earnesthome.com
●「商品ではなくブランドを売る」
輸入住宅を中心する社として創業した同社は、2008年頃、
輸入住住宅ブームに陰りが見えた頃、商品構成を一新する。
「輸入住宅」から「子育て住宅」へ、ライフスタイル型住宅への方向転換だった。
規格住宅で、すぐに導入できる住宅ボランタリーチェーンに参加。
事業形成のスピード感を活かし、3か月後に建築したモデルハウスで
来場総数200組を記録。低年齢の顧客層の開拓と紹介受注からの高い成約率で、
受注の柱を確保した。また、ターゲットに合わせた地域マーケティングで、
HPの強化はもちろん、雑貨作家とコラボしたイベント企画。
実生活並にセッティングしたオープンハウスの定期開催等。
全国ネットワークにとらわれない自立した企画も、社員全員参加でやりぬき、
年間30棟を確保。新しいブランドでの建築棟数は導入7年で100棟を超えた。
現在は増税対策も兼ねてコンパクトハウスも導入。ターゲット毎に商品を分け、
先を見据えた経営手法を確立している。
★株式会社 三五工務店(札幌) 代表取締役社長 田中寿広様
http://www.kk35.jp
●「人に一番初めに紹介したい工務店」
創業して58年目となる同社は、創業者のポリシーである
「当たり前のことを真面目に取り組む家づくり」を継承しながらも、
二代目である田中社長のオリジナリティあふれた組織づくりと
地域に密着した企業経営で、多くのお客様から支持されている。
社員の成長こそが会社の成長と考え、スキルアップはもちろん人間力を磨く
様々な社員教育を実施。営業部門をつくらず設計スタッフが打ち合わせを進める
スタイルでお客様との認識のズレを減らし、顧客満足の高い家づくりを実現。
また、昨年からは、木製品を積極的に採用し、地域の文化・環境に貢献する
「カラマツ宣言」を実践。注文住宅に比べコストダウンできる企画住宅や、
家づくりの考え方、住まい方を示した提案住宅「フラッグシップモデル」など、
注文住宅で培ってきた技術やノウハウを活用し、断熱や気密、省エネなど
建物性能とデザインを両立させた新たな取り組みにチャレンンジしている。
○コーディネーター
株式会社 札促社 代表取締役社長・Replan 編集長 三木 奎吾
1988年に北海道の住宅雑誌として創刊。2003年には東北版を創刊し、
現在、北海道版110号、東北版は50号まで刊行。各種別冊も定期的に発行し、
地域に根ざした「住む」「暮らす」をよりよくする情報を提供している。
また、雑誌発行で培ってきた情報力で、インターネットの取り組みも積極導入。
家づくりについての簡単な質問から土地探し、プランの相談など、
Replanが厳選した優良企業に匿名で相談できる「家づくりWEBセンター」や、
住宅にかかわるトラブルや悩みに対して、専門家がアドバイスする
インターネット上での住宅ユーザー支援「NPO住宅110番」を設立。
多方面で、いい家づくりを応援する活動を行っている。
○お申し込み この専用フォームをクリックしてお申し込み下さい。
○お問い合わせ (株)札促社TEL/011-641-7855
Email:kurashidesign@replan.co.jp 担当/岡野
Posted on 9月 19th, 2015 by 三木 奎吾
Filed under: リプラン&事業 | No Comments »

さて昨日に引き続いて、当社新刊のご案内です。
当社の基幹雑誌である、Replan北海道の最新刊です。
今回、新しいテーマに取り組んでみました。
家づくりでもっとも初源的な部分、「どこに住むか?」というテーマです。
わたしたちが住まいを考えるは、なぜでしょうか?
住宅雑誌をやっていて、いちばん感じていることは、きっとそれは、
「シアワセになること」なのだと思っています。
ありがたいことに、現代人は自由にいろいろなことを選択できる。
そういうなかで、シアワセのかたちで、いちばんのベースになることが、
「どこに住むか?」ということだと思います。
そのときに、想像力の幅を、もっと広くしていくことが、
まったく新しい生き方との出会いになるかも知れない。
その選択の意味合いを、より深く考えていくことで、
より満足感の高い生き方を掴み取ることも可能なのではないか。
そんな主張も込めてみたつもりです。
2015年9月29日発売・2015年秋冬号・A4版
本体価格463円(税込:500円)
【特集】住み家さがしの秘密。
なかなか希望の土地に巡り会えない。そんな方には、
土地の探し方・探す視点を変えてみたり、
新築だけではなく、中古住宅のリノベーションを検討して、
自分たちが本当に豊かに暮らせる場所=「住み家」を探すことを
Replanは提案したい。それが今回の巻頭特集です。
全国的に増えてきた空き家が放置されるなどして問題視されている今、
空き家の活用も視野に入れた「住み家さがし」をしませんか?
さらに、家を持つなら考えたい住宅の価値についても、
サスティナブルな社会を見据えて家づくりに取り組む
お二人の建築家に寄稿いただきました。
Contents
●巻頭特集/住み家さがしの秘密。
●十勝で建てるなら、ココ! 2015
●連載 賢い人は気付いてる メンテナンスの大切さ
●新企画 暮らしを灯す
●新連載 Q1.0住宅デザイン論〈新住協 代表理事・鎌田 紀彦〉
●暮らし豊かに。Re・home
●連載 いごこちの科学 NEXTハウス3 <東京大学准教授・前 真之>
●新築ルポー住まいのカタチー
●連載・ STORY OF ARCHITECTURE
vol.11 籤 HIGO
●北の建築家
「SHOWAの家」 阿部 直人
「素のいえ」 櫻井 百子
★Replan予約販売のお知らせ
9月15日~23日までにご購入された方は、
一部地域の方を除いて、29日までに配送致します。
Replan北海道版110号の書店発売は、9月29日です!
お申し込みは当社WEBでの通販コーナーで直売しています。
ReplanWEBからご購入いただけます。
Posted on 9月 18th, 2015 by 三木 奎吾
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さて、発売日から2日お知らせが遅れましたが、エリア特集号のお知らせです。
住宅は、より地域に密着した作られようが求められます。
わたしどもでは、年に数冊、東北各県ごとのエリア特集号を発行しております。
ことしは、8月の福島に続いて、昨年も発行した「青森」の第2号を発刊しました。
とくに青森は、北海道のすぐ隣ですが、
住宅性能についての認識がまだら模様の地域。
大好評だった昨年に引き続き、最新の青森の家づくり、
その進化した姿を、みなさんにお届けします。
夏の暑さも、冬の寒さも、
青森で暮らしていくには、避けては通れません。
でも、住宅性能はさらに驚くほど発展しています。
寒冷地住宅の「知恵」は、こうした条件を十分にクリアして
さらにその上の暮らしの喜びを実現しています。
Replan 青森 vol.2 青森県の書店にて販売!
2015年9月15日発売・A4版/本体価格907円(税込:980円)
寒冷地である青森。その厳しい気候条件から、
住宅の性能やデザインは進化を続けています。
住む人が家に求めるもの、それは何より心地よさ。
その願いを叶えた住まいをご紹介します。
寄稿/青森で家を建てるときに考えるべきこと /西方 里見
実例/川岸の小住宅(青森市)、ブレンドの家(むつ市)、
田面木の家(八戸市)
Contents
◆巻頭特集
暑さも寒さも気にならない心地よい家
◆県内のビルダーが建てた
青森の住まい・実例集
◆【特別対談】北のつくり手 × 南のつくり手
◆省エネ住宅特集
◆青森にふさわしいリノベーション
本誌は、日本の寒冷地住宅雑誌として
北海道で出版を続けている住宅雑誌Replan北海道の姉妹誌。
日本の住宅技術を革新し続ける北海道では最先端技術が実現しています。
寒さを克服し、全室どこでも一定の室内気温環境が実現していて
健康そのものの冬の暮らしが実現しています。
そしていま青森でも、こうした技術を完全にマスターした作り手が
繊細な感性で、美しく快適な最先端の住宅を実現してきています。
この雑誌では、このような住宅実例・住宅企業を集中的にご紹介し、
ワンランク上の家づくりをご覧いただけます。
当社WEBでの通販コーナーで直売しています。
ReplanWEBからご購入いただけます。
Posted on 9月 17th, 2015 by 三木 奎吾
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