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現代中国人の「世論調査」結果

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きょうのウォールストリートジャーナル日本版に
「中国、一般市民の懸念は官僚腐敗と大気汚染」という
そうだ、こんな記事が読みたかった、という調査記事があった。
この記事は、ワシントンの調査機関ピュー・リサーチ・センターが
24日に発表した調査結果の概要を伝えるものだった。
折から中国の習近平首席が訪米して、オバマ大統領と会談する
その前段としての調査報道だけれど、
まことに的確な報道主旨だと、まずはそこに感心した。
会談する相手国家の人々が、どんなことを考えているのかという
きわめて当然に持つべき冷静な調査報道を行っていることに
メディアとしての成熟した姿勢を感じさせられる。
ひるがえって、わが国では、安保法制論議の間、
冷静な国際環境分析などへの興味関心を示してきたメディアは少なかった。
本来であれば、国益と国防の重なる中国の真実を
しっかりと実像として読者、国民に知らせるべき役割こそが
メディアには求められていると思う。
相手が、とくに共産党独裁で民意が測りにくい国家だけれど、
しかしその国の為政者にとってもっとも細心に配慮しているに違いない
中国国民が、いったいどのような「意識」を実際に持っているか、
こういう地道な報道姿勢は、まことに信頼に値するし、貴重だ。
たしかにこの調査自体は、アメリカのさまざまなシンクタンクのひとつが
ある目的を持って行ったことは明白だとは思うけれど、
メディアとして、そうした動きをしっかりチェックしていること、
それが、国益国防にとっても最重要であるという判断力のレベルは、
やはりアメリカの底の厚みを感じさせてくれた。
それに対して、日本の大メディアたちは、
むしろ、感情論丸出しでレッテル貼りに狂奔していたメディアが多かった。
インターネットの時代に対応するのに、、日本のメディアは
自社の「主張」としてのプロパガンダに傾きつつあるけれど、
基本的に、冷静な調査報道、事実の解析こそが不可欠だ。
先の日米戦争開戦時に、アメリカは日本人の心の構造にまで
調査を進めて、「菊と刀」という本が著されたりしていたけれど、
対して日本の朝日新聞は、その時点の民衆の情緒プロパガンダに流れ、
国家破綻の方向での報道に邁進していた。
今回の安保法制の局面で、同じように冷静さのない、
国益にとって損害でしかない報道態度を取り続けたことは
まことに残念でならない。

横道に入りすぎてしまったけれど、
いまの中国人の、共産党政権の桎梏の中からのホンネの
ほんの一端、それも共産党支配構造でも容認可能レベルの情報だけれど、
やはり「民の声」は、重く受け止められるものだと思います。
なにより、その国の民のいちばんの懸念が「官僚の腐敗」である、という国家と、
われわれは、否応なく至近距離で向き合っている現実から
片時も目を離すことなど不可能なのだと思う。
そしてそういう国との関係において、イデオロギーではなく、
冷徹なパワーバランス問題としての安全保障論議を、
健全な国内世論として喚起していかなければならないのだと思います。
その声の数字と内容をじっくりと見ていました。

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